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文化の補完は強さになる。 pixiv × niconico「ネット流行語100」開催レポート

こんにちは! ピクシブのオウンドメディア「pixivision」でプロダクトマネージャー・編集長をしているsakumaです。今回は、2019年末に第2回が開催されたpixivとniconicoの共同企画「ネット流行語100」の様子をお伝えします!

ネット流行語100とは

「ネット流行語100」とは、オンライン辞書「ピクシブ百科事典」と「ニコニコ大百科」上で、今年最も流行した単語を表彰する企画です。2019年1月1日~11月18日の期間に両サイトでアクセス数が多かった上位100単語を公開し、最もアクセスが多かった単語を「年間大賞」として表彰しました。ほかにも、2018年と比較してpixivに投稿が増えたタグ(単語)の中から選ぶ「pixiv賞」と、ニコニコユーザーが「今年流行ったと思う単語」をアンケートで選ぶ「niconico賞」を表彰しました。 各賞の発表は、ノミネート100単語にゆかりのある人物や団体など、豪華ゲストを招き、12月15日(日)にニコニコ生放送で発表しました。 特設サイト

pixivとniconicoが本企画ではじめて協力

pixivとniconicoが共同で何かを実施したのは、実は昨年の本企画が初めてです。我々はそれぞれ10年以上前の同時期に出来たサービスで、インターネットを通じてたくさんの創作活動やネット文化に接してきた背景があります。似た領域のサービス同士、近しい距離感があったこともあり2018年に「ネットの文化を盛り上げる」という目的でタッグを組みました。イラスト・マンガ・小説・動画をはじめとしたお互いの文化圏の作品を補完することで、世相を柔軟に反映したトレンドが見えてくるのってちょっと面白いですよね。

ユーザーの熱量を反映した受賞単語

今回の「ネット流行語100」も、興味深い結果となりました。2019年の年間大賞に選ばれたのは、バーチャルライバー*1プロジェクトの『にじさんじ』でした。今年は所属バーチャルライバーたちそれぞれがインフルエンサーとして活躍したこともあり、昨年の第9位から順位を上げました。

にじさんじ・御伽原江良(おとぎばらえら)さんの登壇風景
各サービスらしさが反映された特別賞「niconico賞」「pixiv賞」は下記の通りです。

niconico賞:「シャミ子が悪いんだよ」

漫画『まちカドまぞく』担当編集・土居航洋 氏と描き下ろしイラスト

ニコニコユーザーが「今年流行ったと思う単語」をアンケートで選ぶniconico賞には、マンガ『まちカドまぞく』に登場する「千代田桃」が「シャミ子」に言ったセリフ……ではなく、言いそうなセリフ「シャミ子が悪いんだよ」が選ばれました。他のノミネート単語がキャラクター名や作品名なのに対し「シャミ子が悪いんだよ」はセリフ、しかも公式ではないことがTwitter上でも話題となりました。

<niconico賞 トップ3はこちら>
  1. シャミ子が悪いんだよ
  2. ○○の主役は我々だ!
  3. ワザップジョルノ

pixiv賞:「鬼滅の刃」

アニメ「鬼滅の刃」プロデューサー・高橋祐馬 氏(株式会社アニプレックス)

2018年と比較してpixivに投稿が増えたタグ(単語)の中から選ぶpixiv賞は「鬼滅の刃」が選ばれました。アニメ放映後も作品の閲覧・投稿が著しく伸び続けた作品で、特に海外からのアクセスが集まったことも受賞理由のひとつとなりました。ネット流行語100の上位20単語には「鬼滅の刃」に関するワードが6点も入るなど、人気の高さがうかがえます。

<pixiv賞 トップ3はこちら>
  1. 鬼滅の刃
  2. ポケモン剣盾
  3. pixivファンタジア

本企画によって得た新しい知見

私たちのメディアpixivisionでもpixivのトレンドをまとめたデータや急に閲覧が増えたコンテンツを紹介していたこともあり、「ネット界隈の旬な単語はだいたい同じだろう」と思っていた節があります。でも本企画を通して、他社のプラットフォームでは、コンテンツの捉え方や流行り方がかなり違うと驚かされました。

pixivisionで特集された、pixivの流行した単語をとりあげた記事の一例

また企画を実施する中で特に印象に残ったのは、生放送が想定以上にあたたかかったことです。今年は複数回登壇した方に対しニコニコ生放送上で「おかえり」というコメントが飛び交ったり、放送が無事に進むようにコメントでフォローしてくれたり、視聴しているユーザーに進行を助けてもらったように感じます。普段のサービス運営では感じにくい生放送ならではの「ライブ感」や熱量を目の当たりにして、バーチャルYouTuber(VTuber)のファン文化のひとつ「配信者をみんなで応援する雰囲気」を体感した貴重な経験となりました。

結果とこれから

2時間の放送で視聴者数は33万人を超え、昨年を上回る結果となりました。ニュースなどの外部メディアへの露出量も昨年比1.5倍となり、「流行語」としても検索流入が大きくなったのも嬉しい効果です。まだまだ課題はありますが、異なるサービスが互いに協力して持ち味をいかす挑戦ができたことには大きな意味があると感じます。 人々の関心やトレンドの変化は早く、意識していないと時間と共に流れていってしまいます。そのスピードが年々早まっていることを感じた1年でしたが、今回の取り組みをきっかけに「それもまた文化だったな」と振り返りたくなるような、”インターネットの歴史の1ページ”をユーザーと共に刻んで行けたらいいなと思っています。

*1:キャラクターやアバターを使って動画投稿・配信を行う人のこと

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sakuma
2017年に中途入社。オウンドメディア「pixivision」3代目編集長・プロダクトマネージャー。写真、商業BL、アジア飯が好き。