こんにちは、技術広報室のkamikoです。
ピクシブでは2022年11月よりピクシブの事業に関する研究に専任するポジションとして新たにリサーチフェロー職を新設しました。また2023年1月にはリサーチフェローとして1名が入社し、日々研究業務に取り組んでいます。
本日はピクシブにおけるリサーチフェロー職の役割と、今後の取り組みについてCTOのharukasanとリサーチフェローとして入社されたpongさんに伺います。
ピクシブのリサーチフェロー職とは、どのような職種ですか?
harukasan:ピクシブではこれまでも「創作活動がもっと楽しくなる場所を創る」というミッションのため、様々な研究開発を行ってきました。そのなかで取り組む領域が広がり、関連する技術もめまぐるしく発展していく中で、従来のようにプロダクト開発に取り組みながら必要な研究も平行して行うだけでは、世の中の変化に追従していくことが難しくなってきました。
そこで新たに、リサーチフェロー職としてピクシブの事業領域に関わる技術的なリサーチに専任する職種を新設しました。
ピクシブでは事業部制をとっており、これまでは事業部ごとに必要な研究開発を行ってきました。対して、リサーチフェローは業務領域を特定事業部に限定せず、必要な研究プロジェクトを行っていくポジションです。
研究成果を直接リリースするのではなく、各事業に対して技術提案などを通じて間接的にピクシブのミッションに貢献してもらうことを考えています。
続いて、今回リサーチフェロー職として入社されたpongさんに自己紹介をお願いしたいと思います。
(以下は英語で行われたインタビューの内容を翻訳しています)
pongさん、自己紹介お願いします
pong:私は Pramook Khungurn(カンガーン プラムック:ประมุข ขันเงิน) といいます。出身はタイです。ピクシブに入社するまではGoogle Japan でバックエンドソフトウェアエンジニアとして働いていましたが、Googleに入社する前にはアメリカのニューヨーク州にあるCornell Universityの博士課程でコンピューターグラフィックスの研究をしていました。
数学とコンピューターサイエンスに興味があり、学生の間ずっと追求してきました。また、私は典型的なオタクでもあるので、アニメ、マンガ、ゲーム、そのような日本のエンタメにも興味があります。私の夢はこれらすべての興味分野を結びつける事で、これが大学院でコンピューターグラフィックスを研究してきた理由です。なので、いつかは自分でもそのようなコンテンツを作れるようになりたいと思っています。
ピクシブにジョインしようと思ったきっかけは何ですか
私は日本のポップカルチャーに関連する研究をしたいとずっと思っていました。興味を持っているコンテンツ創作を手助けするために、数学とコンピュータサイエンスをどのように使えるのか、というのが主なテーマです。前職で働きながら、趣味としてこのような研究を3年続けていましたが、昨年、フルタイムの仕事としてこの研究を行いたいなと思い就職活動を開始しました。
ピクシブは私の研究に最もあっている会社です。pixivは私の興味があるコンテンツを扱っています。そして、ピクシブではリソースを扱う際に制約があることも入社の理由です。ピクシブで自分の研究をユーザーのために使いたいと思っています。このような立ち位置にいることで、私はクリエイターやファンにとって本当に役立つ方向に自分の研究をすすめることができると思います。
ピクシブではクリエイターのために何をやりたいですか
コンピューターサイエンティストの仕事は、より有用なオートメーションをつくりだす事です。私の研究でクリエイターの仕事を手助けし、より創作が促されるようなオートメーションを実現したいと思っています。
人間がクリエイティビティを発揮できない世界は、豊かで楽しい世界とは言えません。コンピューターソフトウェアで大量生産された作品しか見ることができなくなったら、私の人生はつまらなくなってしまいます。
今私がフォーカスしているのは、いかにしてアニメーションをより簡単に作成できるか、という点です。近年のCG技術をもってしても、キャラクターをアニメーションさせることは依然としてたくさんの手間が掛かる作業です。キャラクターのモデリングや動きの生成について面倒な部分をなくしたいと思っています。
そして最終的には、私の手法やツールを利用してもらうことで、より多くの作品が創作され、それらを楽しみたいと思っています。
続いてCTOに伺います、ピクシブは今後どのようなことに取り組んでいきますか
harukasan:ピクシブではこれからも創作活動の発展に資する研究開発に取り組んで行きます。これまでも、ピクシブの画像変換技術を応用したImageFluxや、3Dキャラクターの生成技術としてVRoidといったプロダクトをリリースしてきました。
今後も単に技術研究を追い求めるだけではなく、クリエイターの方々にとって役立ち、創作環境を害することがない形で新しい技術を取り入れていくことがピクシブに求められていることだと考えています。
リサーチフェロー職の募集を行っています
今回の記事をお読みいただきご興味をお持ちの方は、下記エントリーフォームより応募可能です。
https://recruit.jobcan.jp/pixiv/show/b001/110186
皆様からのご応募、心よりお待ちしております。