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より良いコミュニケーションを取ることが、アプリ開発・作品づくりのキーになる!講談社とピクシブが社会人インターンを開催した話

複数の企業が協力しあい、世の中に新たなイノベーションを生み出す共同開発。共同開発に取り組む企業が増える中、普段は全く異なる環境で働く者同士が開発に取り組むことは、容易ではありません。

ピクシブ株式会社は、講談社の少女・女性マンガが毎日無料で読めるマンガアプリ「Palcy」を、講談社と共同開発しています。共同開発を進める中で、お互いの企業について深く知り、より円滑なコミュニケーションを取ることが必要だと考え、講談社のエンジニアをピクシブのPalcy開発チームにお招きする社会人インターンを開催しました。

本日は業務時間の半分を使ってインターンに参加した講談社のkomap(こまぴー)さんと、ピクシブのPalcyチームのKNR(けーえぬあーる)さんとの対談形式で、インターンで得た学び・知見について語ります。

まずは、自己紹介をお願いします

komap:2021年2月に講談社へ中途入社しましたkomapです。学部・修士とコンピュータ科学を専攻し、前職ではWeb開発会社でバックエンドエンジニアとしてPythonやGo・TypeScript・Javaなどの開発経験をつみました。Terraformを使ってのインフラ管理にも携わっていました。 現在はOne to Oneマーケティング部に所属し、Palcyの開発・開発ディレクション・PdM領域・データ分析の業務をメインに担当しつつ、編集部から来るIT領域の不明点を拾い上げると共に、社内の情報リテラシーの底上げを行っています。

KNR:2019年の12月にピクシブへ中途入社しましたKNRです。入社からPalcyのサーバーサイドエンジニアを担当して、今年で5年目になりました。 前職でもAWSや、スマホアプリエンジニアとして業務に携わり、その経験を生かしてPalcyでも仕事をしています。日々の運用だけでなく障害対応も行ったりします。

社会人インターンの開催時期について教えてください

komap:開催時期は少し前になりますが、2021年10月から2022年3月までの約半年です。インターン中は、KNRさんと一緒にバックエンド開発からインフラ周りまで幅広く担当していました。

どのようなきっかけで社会人インターンに参加することになったのでしょうか

komap:講談社としては、より多くの人にPalcyを使っていただき、多くの作品が届き、そこからヒット作が出ればハッピーです。でも理想を実現するために、現時点で何がネックになっているのか良くわからない。大きな要因としては、お互いが何をしているかが見えづらく分かりにくく、企業間で距離があることでした。普段リモートでコミュニケーションを取り合っているので、お互いの顔もよく見えない中では、上手く理解が深まりません。

講談社の編集部は、今まで紙の雑誌で作品を作ってきているため、アプリの事情は分からないことが多いです。それゆえピクシブ側に対する要望が、そもそも実現可能なものかも分からない訳です。その頃は開発を進めるべきなのかそうでないのか、お互いの企業で探り合ったり見合わせている部分も多かったようです。

そんな最中、開発経験のある私が入社したこともあり、相互理解を深めるためにインターンに参加することになりました。

インターン中は、どのような業務に携わりましたか?

komap:インターン期間中は、週2~3日の頻度でピクシブの業務に携わっていました。 一番最初にインターンで着手したのは、ホーム画面の改修でした。

KNR:komapさんがインターン参加していた時期、Palcyでは新規開発が大きな開発比率を占めていました。ただkomapさんは毎日インターンに参加することはできないので、一緒に取り組むタスクは比較的軽めにし、リリーススケジュールに余裕を持った状態で開発に入ってもらうようにしました。

komap:それ以外ですと、SREまわりの業務にも携わりました。基本的にPalcyの開発者にとって改善されると嬉しい領域を中心に担当していました。開発者体験の改善に寄与できたと自負しています。

実際にインターンに参加してみて、どのような学びがありましたか?

komap:インターン参加前、編集部から開発の手戻りや開発時間など、改善したい点を事前ヒアリングしていました。その内容を聞いて、もしやテストコードが存在していないのでは、と思ったりしていました(笑) ですが実際参加してみると、テストコードをしっかり書いていたり、Paclyチーム内のコミュニケーションも密であったり、いい意味で予想と違っていました。毎日必ず朝会夕会をしたり、質問があればDiscordを繋いで相談できたり、リモートでも働きやすい環境でした。 あとインターンでの就業でしたが、社内情報を思ったより赤裸々に開示してくださることにも驚きましたね。

KNR:komapさんには、単純に開発の技術を吸収していただくことだけが目的ではなく、どちらかと言えば弊社の内部を体験して理解してもらうことを重視しました。

komap:そうですね、技術面だけでなく色々な学びがありました。 企業文化については、社内ニックネーム制度に驚きました。最初は少し戸惑いましたが、確かにニックネームを使うことで、お互いの距離が縮まる気がします。

チーム外の方とのコミュニケーションだと、Railsの技術互助会に参加したり、様々な勉強会に参加して、時には発表もしました。Discordで全然違うチームの方と雑談したりもしました。フレンドリーでオープンな社風だと感じましたね。

あとは会社全体としてサスティナブルな働き方をしているなと。夜遅くまで無理な開発をしないことだったり、大なり小なり自動化できる部分は自動化されていました。

ピクシブと講談社の違いは、どんなところでしょうか

komap:会社としては社内IT化に、より一層力を入れていきたいと考えています。 特にデータ分析の面に関しては、メンバーが増えてきて分析結果を社内に還元するような取り組みを行なっています。機械学習を使った業務支援システムの構築もしています。 type.jp

私も例えば初版や売上の予測だったり、アプリ内での購読数などをデータから分析して、ヒット作の兆しを割り出し、うまく活かすことができないか検討しています。より大きなビジョンとして、今後アニメ化やグッズ販売、海外展開にも活かしたいと考えています。

KNR:社内IT化の取り組みは、弊社でも力を入れており興味深いです。実際に取り組みを進める中で、社内からどんな反響があるのでしょうか?

komap:取り組みのひとつとして、ITの知識を底上げする勉強会を開催しました。勉強会は約60分間オンラインで行い、その様子をアーカイブして全社だれでも見れるようにしています。各回の参考資料などもまとめています。全16回で実施し、続編も計画中です。 動画をみた社員だけでなく、何と役員から「見たよ」と私宛に直接連絡が来たりもしますね。

KNR:継続的に全社向けに勉強会を行い、アーカイブを残しておく文化は弊社にはないですね。

komap:やはりエンタメ領域の企業だけあって「面白いものがあれば、やってみればいいじゃないか」というスタンスではありますね。 長い目線で人を育てて、未来に投資していくところが弊社の良いところだと思います。

講談社に入社してから、編集を理解したいという目的で、雑誌の編集部で業務体験をさせていただきました。雑誌のサイクルを経験するため、期間は大体1ヶ月くらいの期間です。 業務体験も自分から要望を出して受け入れていただいており、歴史ある企業ながら希望すればチャレンジさせてもらえたりする自由度の高さは魅力なのかなと。

インターンに参加して、どのような変化がありましたか

KNR: インターン開催を契機に、確実に相互理解が深まったと感じました。どこまで相手企業に必要な情報を伝えるべきかなど、コミュニケーションの粒度も適切に判断できるようになりましたし、場合によっては講談社を通さずとも、直接Palcyチーム側の判断で開発を進めても良い場合も増えました。

komap:ピクシブ側とはテクニカルな部分が分かっている前提で話を進めることが出来るようになったので、機能開発や障害対応も大体どう進めるかわかるようになりました。 あとは講談社社内での話も進めやすくなりましたね。例えば問題解決する時間のアテがつくので、編集部から質問が来た時にすぐ回答できたりするようになりました。例えば、検討している内容が雑に見積もっても半年以上かかる開発だった場合があります。それだけの時間がかかる前提であっても他ではなくそのような内容を検討すべきかという議論ができます。また、目的によっては代案もセットで検討した上で開発者に相談を出せます。

KNR:開発面以外だと、コミュニケーション面も円滑・密接になりました。 お互いの企業で開催されている会議だったり、作家さんのインタビューに、参加する機会なども生まれました。

komap:価値観の違いはどうしてもあると思いますが、何が違うのかを気付けるきっかけになったのは非常に良かったですね。

KNR:インターンとまではいかなくとも、今後も作家さんへのインタビューだったり、社内勉強会に参加するなど企業間で交流は続けていきます。

今後のPalcy開発について、お二人の意気込みをお願いします

komap:個人としての展望ですと、アプリに掲載されている作品の未来を見据えたデータ分析を行い、より良い世界を作っていきたいと思っています。

開発面だと、サービスをより良く出来る提案をしていきたいです。雑誌と比べてアプリケーションは自由度が高いが故に、難しい部分も多いです。 インターンを通じてPalcy内部の理解が深まったので、経験を生かしながら社内の編集部とコミュニケーションを取りつつ希望を現実的なラインに落とし込んでいきたいと思います。

KNR:ピクシブではクリエイターの生活を支えるFANBOXなどのサービスが存在していますが、将来的にPalcyも、クリエイターにとってのインフラになりたいと思っています。そのためには講談社さんと一緒に、機能開発していくことがとても重要です。

Palcyもリリースから6年目、ある程度成熟をしてきました。ですが技術的なチャレンジは、まだまだ多く残っているので、開発に加わるエンジニアが増えれば心強いですね。 より開発スピードをあげて、ユーザーが楽しんでいただける作品を増やしていきたいです。

最後に

いかがでしょうか? 現在Palcyチーム含めピクシブ株式会社として、社会人インターンの募集は行なっておりません。ですが、もし記事を読んで、サービス開発に興味をお持ちいただいた方は、ぜひエントリーお待ちしております。

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