今年の4月に入社した新卒エンジニアのorekyuuとmatsuraiです。
私たち新卒エンジニアは先週に引き続き、ピクシブが運営するマストドンインスタンスである「Pawoo」の新機能開発を特別研修として行っています。
その中で私たちのチームでは、Pawoo上に表示するおすすめタグ機能の開発をしています。その第一弾として、5月18日に運営がおすすめするタグを表示/管理できる機能をリリースしました。
今回は、私たちのチームが行っている「おすすめタグ機能開発」について、なぜこうしたのかの思いと今後の方針についてお話します。
なぜおすすめタグをつくるのか
Pawooは世界最大規模のマストドンインスタンスということもあって、ローカルタイムラインには常に多種多様なトゥートが流れており、常に誰かが活動している楽しさを感じることができます。
その一方で、現在のローカルタイムラインでは様々な話題が繰り広げられているため、Pawooの公開当初に感じられたような、「みんなが共通の話題で活発に話している一体感」を感じるのが難しい状況になっています。
そのため、私たちはPawooのユーザーにもっと「一体感」を感じてもらえるよう、「おすすめタグ機能」を作成しました。運営側から特定のタグをおすすめすることで、もっと活発にユーザーが交流できるように企画を行っていくことができます。
トレンドタグで更に一体感を感じてほしい
現状のおすすめタグは、運営による一方向的なコミュニケーションに留まってしまっています。よりユーザーが一体感を感じられるためには、運営主導ではない「流行を作りだしていく面白さ」を感じてもらうことが重要です。
例えば、5月17日に行われていたマストドン会議では、生放送を見ていた多くのユーザーが「#マストドン会議」をつけてトゥートしていたことで、ローカルタイムラインを見たユーザーが「面白いことが起きている」と知って生放送を見に行く、またユーザー同士で意見を投稿して交流するといった流れを見ることが出来ました。
ユーザーが作る一体感の面白さを提供するために、私たちは現在おすすめタグ機能の第二弾として、「トレンドタグ」を出す機能の開発を行っています。今盛り上がっているタグを出すことで、ユーザーに共通の話題で交流してもらいたいと考えています。
なにをトレンドとするのか
ユーザーに見てもらいたい「今盛り上がっている」タグとはどのようなハッシュタグでしょうか。「#pixiv」のようなハッシュタグはトゥート数や参加しているユーザー数が安定して多く、途中から参加しても一体感や面白さを感じてもらえないでしょう。
参加して一体感や面白さを感じてもらえるハッシュタグは、イベントやアニメ実況のような「普段使われていないけれど突然伸びる」ハッシュタグであると私たちは考えています。現在進行系で伸びているハッシュタグを出せるように、アルゴリズムを試行錯誤をしています。
参考文献:TF-IDFで文書内の単語の重み付け | takuti.me
私たちはこのアルゴリズムを参考に特定期間内のトレンドを作成しようと考えています。TF-IDFは、ある文書内の単語の特徴量(TF)と全文書内のその単語の特徴量(IDF)を使って、「その単語がこの文書内でのみ特徴的な単語であるのか」を算出することができるアルゴリズムです。
現在は、TF-IDFに加えて、特定期間内にトゥートされたタグの投稿者数やブースト数を使って重み付けを行い、より面白いハッシュタグがトレンドとして出てくるようにしようと試行錯誤を重ねている段階です。
トレンドタグには「予想できない面白さ」があると考えています。「なんで今このタグが」というツッコミであったり、「これだけトゥートされていたらひょっとしてトレンドになるんじゃないか」というような期待などを含めた「一体感」をPawooで感じてほしいと考え、実装を進めています。
おわりに
この3週間、各チームはずっと隣で話し合いながら、Pawooをもっと良くするためにはどうすればいいかを考え続けて開発しています。最終週の来週は、各チームが開発した機能を発表しますので、お楽しみに!