ピクシブではプロダクトや事業ごとに様々な専門性をもったメンバーでチームを組んでいます。特にエンジニア職は、そのチームをまたいで信頼性の高いプロフェッショナルとして成長するために、エンジニアギルドという組織を設けています。
この記事では、現在、このエンジニアギルドのトップとして、エンジニア職メンバーを統括している店本にエンジニアギルドの活動、これまでの成果、今後の展望について話を聞きました。
自己紹介をお願いします
エンジニア職統括の店本と申します。 私の簡単な経歴をお話ししますと、2007年ピクシブ株式会社の前身である、クルーク株式会社に入社し、入社後はインフラエンジニアとしてpixiv誕生から今日まで約13年間、サービスの成長を支えてきました。 2018年からエンジニアギルドというエンジニア職の組織がスタートしたのですが、その発足以来組織のトップを務めてきました。
2020年1月からは、改めてエンジニア職統括・VP of Engineeringという役職を拝命し、エンジニア職の組織を統括することになりました。今まで以上に、エンジニアがプロダクトや得意な技術分野などの壁を超えて、技術のプロフェッショナルとして成長し、周囲からの信頼を集められるような場作りに注力しています。
ピクシブでのエンジニアリングとはどういう位置づけなのでしょうか
そもそも、ピクシブは技術無くしては成立しないんですね。
pixivは2007年にファーストリリースし、2021年現在では全世界の約6000万ユーザに使われるようになりその規模にふさわしい安定性が求められるようになりました。合わせて新しい領域に向けたプロダクト開発を進める必要もあります。大量のトラフィック、ログ、データ、複雑性など様々な要素を扱う必要もあり、エンジニアリングの重要性は増すばかりです。
だからこそ、エンジニア職としては、作ること、動かすことはもちろんのこと、長期に渡って運用・改修し続けることを考えなければいけない。 そのために、どのように状況を解釈したのか、どういう問題を解くべきと識別したのか、解決手段はどういうパターンがあって、どのように評価したのかなど、仕事のプロセスを磨き続ける必要があると考えています。
エンジニアギルドという組織はどのような活動をしているのでしょうか
エンジニアギルドとは、2018年からスタートした、プロダクトやチームを超えてエンジニア職全員がメンバーとして参加している組織です。
立ち上げ当初の活動については、当時の主導メンバーが記事を掲載しておりますので、是非ご参照ください。彼は今でも欠かせない裏方として組織全体をバックアップしてくれています。
エンジニアギルドでは、普段は別のチーム・技術分野で業務しているエンジニア同士でペアを組み、お互いがこの1ヶ月、主に行っていた仕事のプロセスをインタビューしあう通称ギルドペアによる1on1を行っています。
ピクシブのエンジニア数は、そろそろ100人を突破する規模へと成長しました。人数が大規模になっても「ピクシブのエンジニア」としての一体感を作りたいため、このように組織の構成を工夫しています。
取り組みの中で、どのような成果が得られたのでしょうか
一般的に、先輩後輩の位置付けで指導を行う構図は良く見かけます。ピクシブでも新卒研修やインターンシップでは先輩をメンター役として設定します。けれど、エンジニアギルドでは、先輩後輩の垣根なく同じ立場のエンジニアの同僚同士としてやりとりをするco-menterと言われる関係をとっています。
例えば、ベテランと若手がペアになってお互いに話し合うわけですが、若手はベテランの持つ深い洞察を知ることができます。ベテランは若手ならではの観点から新鮮な気づきを得ることができます。 しかもペアは、あえてチームや技術分野を超えて設定しているため、普段の業務では接さないエンジニアの活躍、考え、技術的な知見を得ることができます。
成果としては、当初は「できました」「やりました」的な端的な話が目立ったのですが、回を重ねるにつれ、技術選択の根拠や問題解決の過程が明確に言語化されるようになりましたね。そして、これらの課題に対するアプローチ内容や、そこに至った思考が、記録されるようになりました。
これからの展望
将来に向けた取り組みの中での技術・開発の位置付けは、先に公開した記事でCTOが語っています。
ピクシブの「創作活動がもっと楽しくなる場所をつくる」というミッションを実現するためには、これからもエンジニアたちの力が欠かせません。そして、そのミッションを達成するためには一人ひとりの力を最大限に引き出すことが必要で、エンジニア統括としてはメンバーが持つ技術力を総合的に高めることが重要な使命です。
本当の意味での「技術力」は、勉強や仕事をするだけでは身につかないと思っています。単にやりました・できましたで終わらせず、仕事のプロセス・思考を客観的に整理した上で次の仕事に応用するという、いわゆる経験学習*1のサイクルで内省を回すことで、ようやく技術が血肉になると考えています。だからギルドペアの1on1の面談でこのサイクルを回しているんです。今後はそれに加えて、研修、トレーニング、若手抜擢や異動などの手段を戦略的に組み合わせて、「創作活動がもっと楽しくなる場所を創る」というピクシブのミッション実現を加速していきます。
終わりに
ピクシブでは、創作活動を共に盛り上げていただけるエンジニアを積極的に募集しています。今回の記事をご覧いただき興味をお持ちになりましたら、是非エントリーフォームの詳細をご参照ください。エントリーをお待ちしております。
https://recruit.jobcan.jp/pixivrecruit.jobcan.jp
*1:https://www.kaonavi.jp/dictionary/reflection/ ①デービッド・コルブの経験学習モデルを参照