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チームの価値創造を支えるエンジニア職組織「エンジニアギルド」のご紹介

VP of Engineeringのbashです。

ピクシブでは2018年から「エンジニアギルド」という組織を運営しています。そしてこの2019夏、次世代の体制として取り組みを磨き上げています。

エンジニアギルドとは

エンジニアギルドとは、社内エンジニア成長のための事業部横断体制です。

社内に多数の事業を擁するピクシブにおいて、エンジニアは日々個々の担当する事業価値を高めることに注力しています。そんななかでも、採用・評価・育成といった、事業単位ではなく会社単位で考えていくべき領域に関して、事業部横断で思想を共有・改善していくための仕組みが「エンジニアギルド」です。

エンジニアギルドの特徴

ざっくり述べると以下のような特徴があります。

1. ツリー構造

多数のメンバーからの情報をスケーラブルに取りまとめるためのデータ構造として、ツリー型組織を構成しています。

技術系役員を務めるエンジニアを、エンジニアギルドのギルドマスターという役で組織のルートとし、数個の支部にエンジニアを配置しています。

支部はさらに組、班という単位で構造化しており、負荷の平準化と情報の集約・伝達容易性の両立を図っています。下記の図が基本的な支部構成です。

エンジニアギルドの中では役割はあれどもいわゆる上司部下的な権威付けでも師匠-弟子的な上下関係でもありません。あくまで同じピクシブの仲間同士で助け合うための、サポーター/サポーティーという関係と定義しています。

この構成のもと、班長はメンバーと、組長は班長とという組み合わせで1on1を実施していきます。1on1の記録はツリー構造にに従う形で集められ、支部長・ギルドマスターがそれらを統括し、評価や育成に生かしていきます。

2. 1on1実施とそのプロセスの磨き上げ

ピクシブではCTOのメッセージとして、「会社の意思決定のどれだけを任せられるか」を評価の重点としており、以下の4軸を優れたエンジニア像として言語化しています。

  1. チームの課題を最短経路で解決できる
  2. チームの手作業をフレームワーク化して減らし続けられる
  3. まだフレームワークが整っていない分野を切り開く突破力がある
  4. 技術、組織、ビジネス等の状況から長期的視野でバランスの良い判断ができる

単に「やったこと」だけに留まらず、その背景や状況、どういう試行錯誤を経てきたかをエンジニアとしての判断プロセスとして定義し、1on1を通じて「会社の意思決定のどれだけを任せられるか」度合いを高めていきます。

1on1は、それぞれのエンジニアと担当のサポーターとで月一回実施します。自分自身がこの1ヶ月間どういう背景やコンテキストのもとでどのように試行錯誤を進めてきたかを語り、そのヒアリングとまとめをサポーターが行うことによって、二人三脚でエンジニアとしての判断プロセスを磨き上げています。

サポーターのスタンスとしては、「ヒーローインタビュー」というメタファーで表現しており、サポーティーの行ってきた過程を客観的視点から深堀りすることで、プロセスの言語化を手助けします。 負荷分散のため、サポーター1人あたり1〜2名を基本として体制を組み、クォーター単位でリバランスを少しずつ注意深く行っています。

3. 事業部ミッション達成を横串で支える職能組織

冒頭述べた通り、ピクシブでは事業部制を採用しています。ミッション達成に必要なスキルを持ったメンバーからなる職能横断体制(Cross-functional Team)を組んで、メンバー一丸となってユーザ価値、事業価値の向上に取り組んでいます。

エンジニアギルドでは、事業部がそのミッション達成にフォーカスできるように、エンジニアの評価・採用・育成を同じ思想で進めて、組織横断的にエンジニアの成長をサポートしています。

これまでの経緯

かねてからピクシブでは、エンジニア横断的な面談やフィードバックのサイクルとして「エンジニア全員面談」「技術力評価」を運用していました。急速なサービス規模・組織規模の拡大を背景として、より素早いサイクルとスケーラブルな運営を実現すべく、2018年から「エンジニアギルド」という名前で組織と取り組みをパッケージングしました。

これまでステルスで進めてきて、7月末にはじめてIT人材ラボで公開されたわたしの対談記事にて、エンジニアギルドについて公の場ではじめてオープンにしました。詳しい経緯やコンテキストについても語っていますので、是非ご一読ください。

活動の効果と今後

当初のイメージを超えた活発な活動と成果が出てきました。

まずメンバー成長の観点では、1on1の記録をみると、回を重ねるごとに「やったこと」の背景についての解像度がメキメキが上がっている様子が明確に現れてました。背景や状況の理解度、意思決定や試行錯誤の水準が向上している証と評価しています。また、このエンジニアギルドの取り組み自体もエンジニアたち自身によって大小さまざまな改善が加えられ、実効性と再現性に優れた組織的活動として素早い改善サイクルが回っています。

そして、このエンジニアギルド活動を参考にして、デザイナー、ビジネスフロント、プロダクトマネージャ、コミュニティマネージャなど、エンジニア以外の職種でも同様の組織化が進んでおり、ピクシブの組織文化として根付きつつある状況です。

そこで、昨年発足したばかりですが、前述のような効果を考えるとエンジニアギルドの運営自体を次のフェーズに進化させる時期が来たと評価しています。 これまでわたしがエンジニアギルド責任者として、属人性高く手探りで企画していた部分が多くありました。これからは取り組みを加速するため、責任者業をリファクタリングして、複数のロールに整理しチームとしてまとめることで、さらなる磨き上げとスケールを狙っていきます。

またわたし自身は、エンジニアギルド運営の知見をもとに、他職の組織化をエンパワーメントすることにフォーカスし、エンジニアに留まらずピクシブメンバー全体のパワー向上にコミットしていきます。

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bash
経営企画本部経営企画補佐 兼 プロダクト開発ギルド ギルド長。 2013年に広告配信エンジニアとして入社以後、開発マネージャ、関連会社CTO、VPoE、コーポレートIT、Engineering Office立ち上げと、支える活動をひたすら切り拓く挑戦を繰り返してきた。 現在は、solver & right handの経営企画分野スタッフ業と、全社横断でのプロダクトマネージャー・コミュニティーマネージャー・プロダクトデザイナー・エンジニアからなる開発全体を強化する職能組織を束ねている。 プライベートでは #RubyMuscleMixin ハッシュタグで健康のためのウェイトトレーニングに日々取り組んでいる。 個人の公式FANBOX https://bash0c7official.fanbox.cc/