みなさんこんにちは!ピクシブのデータまわりを担当している @jaggy と申します。
2018年12月、ピクシブに「データ駆動推進室」という部署が発足しました。多くの会社がデータ分析の専門部署を立ち上げ、その部署主導でデータ活用を進めているなかで、ピクシブでは少し変わったアプローチで社内のデータ活用を進めています。
この記事ではそんな「データ駆動推進室」について紹介いたします。
「データ駆動推進室」
ピクシブには、各チームのメンバーが自分のプロダクトにオーナーシップを持って仕事をしており、ユーザーのためにやれることをやる、という文化があります。たとえば、ビジネス側の人間がプログラミングを覚えて、ユーザーからのお問い合わせに対する根本解決を行なうなど、職種の垣根を越えて仕事が行われています。
このためピクシブのメンバーは、担当プロダクトのユーザーに価値を届ける上で何が必要か日々考え抜き、各プロダクトのドメイン領域に関する知識を蓄えています。
また、データ活用を効率的に進めるためには、深いドメイン理解が必要不可欠です。深いドメイン理解に基づく優れた仮説が、データに価値をもたらします。そのため、我々にとってのデータ活用の理想像は以下の通りとなります。
- 社員みんながデータを活用できるようになる
- 結果、深いドメイン知識とデータをセットで活用し、素早くプロダクトを改良していけるようになる
つまり必要となるのは、データ分析の専門部署ではなく、データ民主化を促進する部隊であるわけです。こういった背景のもと、「社内の各チームにおける業務をよりデータドリブンなものに変えていく」ための部署として「データ駆動推進室」が発足しました。
データ駆動推進室のメンバー
実はデータ駆動推進室ができる前から、各チームでBigQueryの整備やダッシュボードによる数値の可視化など、データの民主化を進める動きは進んでおりました。
データ好きに捧ぐ。pixivのデータ活用事例と無限の可能性 - pixiv inside
- グロースハックの時代からピクシブ全体のデータを見ており、経営判断に使うデータの出力を担当していた人間
- pixivの数値分析を担当し、特にインタビューなどの定性データとサービスの定量データの両方からユーザーリサーチを行なっていた人間
- 主要プロダクト関連のデータをBigQuery上で連携できるように整備し、より詳細な有料会員向けの分析を行っていた人間
などなど、各チームで特にデータに興味が強い人間が、自発的に連携をとって動いていたように思います。そういったメンバーのうち数名が、現在データ駆動推進室に所属しています。
発足後の活動について
さて、発足後、社内のデータ活用の現状を調査するべく、全社員向けのアンケート調査を行いました。すると、チーム内にデータに詳しい人がいる方が、チームメンバー全員のデータ活用が進んでいることがわかりました。隣に頼れる人間がいる場合にその人に頼りきりになるのではなく、むしろいいところを吸収し合って成長する。そういった文化が背景にあるのでしょう。
そこでデータ駆動推進室の活動では、まず各チームに分析に強い人間を作ることを目標に動いています。直近では、分析担当者のいないチームに働きかけを行い、
- データに対する課題のヒアリング
- データ活用の方針決め
- 分析担当者決め
という形で、総合的なデータ活用のサポートを、1チームずつ進めていっています。
また、「分析わくわくタイム」という社内イベントを週次で開催しています。毎週特定の時間はデータ駆動推進室の人間がオフィスのオープンスペースに待機し、「チーム目標の数値をどう立てたらいいか」といった大きな相談事から「SQLに関して聞きたいことがある!」といった日々の悩みまで、分析に関わるトピックを持ち込んでもらう、というものです。昨年12月から開催していますが、ディレクター・エンジニア・サポート・PM・役員まで様々な職種の人間が相談に来てくれており、何人かはそのまま上記の分析担当になるなど、なかなか良い成果が出ております。
こういった形でデータに強い人間を増やしていくことで、将来的には分析担当者同士のコミュニティを作って施策の事例共有やスキルアップを行ったり、分析担当者をハブとして各チームのデータ活用をより底上げする動きを進めていく予定です。
また上記以外では、データ活用基盤のメンテナンスや改善にも、もっと力を入れて取り組みたいと考えています(こちらの詳細については、また別のinsideで紹介させていただければと思います)。そのためエンジニアを中心に、データに関する専門職を増やしていきたいと考えております。Wantedlyに募集記事を掲載しているので、興味のある方は、ぜひご連絡ください。
以上、ピクシブに新たに発足したデータ駆動推進室について紹介させていただきました。今後もデータ駆動推進室の活動や、実際のデータ活用事例などを発信していきたいと考えていますので、ぜひご期待ください。