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プロダクトの魅力を最大化できる マーケティング組織の作り方

こんにちは!ピクシブ株式会社(以下ピクシブ)でマーケティング戦略室のマネージャーをしているpeiです。

2010年に総合代理店に入社し、営業とマーケティング職を経験。ゲーム会社に転職し、マーケティング&ブランディングマネージャーを経験したあと、ピクシブに入社しました。

 

本日のテーマ

ピクシブは「創作活動がもっと楽しくなる場をつくる」を理念としており、「世の中のクリエイターの創作活動を支え、創作文化を刺激したい」そんな想いをこめて開発した、10個以上のプロダクトがあります。

ビジネスモデルはそれぞれ全く違いますし、マーケティング的に言えば、市場や競合環境、戦略ターゲット、提供価値も違うので、もちろん個々にマーケティング戦略・戦術の設計が必要になります。

前回は、その数ある「プロダクトたち」の魅力をマーケターの視点から話しましたが、今日はその魅力を引き出す『組織づくり』についてお話できたらと思います。

(参考)元広告代理店のマーケターがワクワクする ピクシブのプロダクトたちが持つ魅力 https://inside.pixiv.blog/2020/01/10/180000

 

そもそも「マーケティング」や「マーケター」って?

まずマーケティングを短く定義すると「商品の魅力を引き出し、その商品を売ること」です。

一般的に、マーケターは未利用だけどポテンシャルがある「売る相手(市場・ターゲット)」と「自社商品の独自の提供価値」の “最適な接点” を探します。それを適切なメディアで届けて、購入(利用)してもらう、ということがマーケティングの4Pでいう「プロモーション領域」の仕事です。

「売る相手(市場・ターゲット)」は、何かを購入・利用しようとしている「特定の動機や需要がある個人の集まり」なので、その方たちとの“最適な接点”は、その商品の「選択理由」と「選択肢」から逆算すると見えてきます。 f:id:pxvpxv:20200127120156j:plain 例えば「缶コーヒー」と「タブレット菓子」はジャンルの違う商品ですが、「リフレッシュ」や「タバコのお供」という選択理由なら、同じ「選択肢群(=競合)」に入る、といった具合です。仮にpixivなら、趣味領域やエンタメ領域で、他のプロダクトが選択肢に入るかもしれません。

その「選択肢群(=競合)」の中で、相対的に選ばれるような「自社商品の独自提供価値」を規定し、適切な場所・メディアで伝え、売れるようにする。それがマーケターの仕事です。

 

開発組織に対してマーケティング組織ができること

実際には、「購入」や「利用」の促進だけがマーケターの仕事ではありません。

今は選択肢が多い時代なので、利用された後に、どれくらいエンゲージメント(絆)を築き、選び続けてもらえるようにするかも、市場のターゲットを連れてくる「需要創造」と同じくらい大事です。 f:id:pxvpxv:20200127120158j:plain その時にWebサービスのマーケターが貢献できることは「利用データ」から課題を見つけたり、「ユーザーの声」を聴いてプロダクトの改善提案をしたり、逆に開発の想いや活動を「伝えて好きになってもらう」ことです。4Pでいうところの「Product」の領域ですね。

なので「開発組織」との関係性でいえば、「外のターゲット」と「内のユーザー」両方の欲求を見極め、両者を製品とつなぐ「水先案内人」のような役割でもあります。

 

マーケティング組織が目指すべきこと

結論から言うと、マーケティングは「非連続な成長」を生み出せる数少ない領域であると私は考えています。非連続とは「ジャンプした」という意味で、プロダクト改善や技術改善のPDCAを回しているその延長線上には存在しづらい考え方です。

なぜなら、マーケティングには「外からの流入量」を飛躍的に伸ばす力があるからです。 f:id:pxvpxv:20200127120202j:plain 広告代理店ではマーケティング戦略とクリエイティブとメディアの噛み合わせで想定以上に商品が売れることがありましたし、ゲーム会社では、正しくプロモーションを組むと想定通りに「ユーザー獲得」ができることを毎日KPIを追いながら実感していました。

逆にゲーム会社で学んだ失敗は、特にアプリだと「提供価値を伝えずになかば“強引”に獲得した新規ユーザー」、もしくは「離脱要因を解決しないまま戻ってきた復帰ユーザー」はすぐ流出してしまうということです。言わば、お金をかけてザルに水を注いでしまったようなものです。

これらの経験から、マーケターにとって重要なことは3つだと考えています。

①市場・ターゲットの欲求を正しく捉え、商品特長と結びつける力

②製品の課題を見つけ、開発チームに提案する力

③プロダクトやカルチャーを見失わず、無理なくユーザーを集めるアイデア実行力

これらが揃うと、開発組織が現在のユーザーの方々のことを第一に考えながら「連続的な成長」を目指す中で、足並みを揃えて「非連続な成長」も目指すことができると考えます。

 

目指すべきことは見えてても、壁にぶつかる。どういうこと?

目標を実現するための「手段・手法」は学べばよい話なのですが、マーケターが苦しむことがあるのが「深いプロダクトやカルチャー理解」、「エンジニアリングの仕様や工数理解」といった、開発組織との「知識的・思想的な分断」です。

この分断は、特にプロフェッショナルな中途社員がマーケティング組織の大半を占める場合こそ、よく起こります。なぜなら出自的に「自社プロダクトに触ったことがあるケース」が少ないのです。 f:id:pxvpxv:20200127120205j:plain 例えば広告代理店は自社商品を持ちません。一方で、事業会社のマーケターも大人数だと分業が進んでいたり、逆に少人数だと実行のほうに重きが置かれ、開発と二人三脚でプロダクト改善に取り組んだ経験が豊富なマーケターは意外と少ないものです。

ただ先述の通り「マーケティング成果を最大化する」ためにはこの“分断”を乗り超えて、外と内の両面を見て、全体最適のプランやプロダクト改善を提案する必要があります。そのためには「自助努力で知識・思想の見聞を広めるしかない」ということになりますが、コミュニケーションコストと説明コストが高く、乗り越えられない人が出てくるのです。

なおピクシブは、CtoCのサービスが多く、ユーザー視点が「全て」なので、両組織がミッションや目標で結ばれており、この「分断」がほぼない貴重な環境です。

 

では、この壁を乗り越える理想的な組織構成は?

もちろん「最適解」は、組織が置かれた諸条件によって変わる前提ですが、ピクシブの場合はプロダクト数のわりにマーケターの人数がまだ少なく、開発まで深く入り込めるようなマーケターを増やす必要があります。先の “分断” が根深い場合も同様でしょう。

そこで個人的に着目しているのが、「PMM=プロダクトマーケティングマネージャー」という職種です。「PMM」は、「PdM=プロダクトマネージャー」と協働して、市場やターゲットの欲求を捉え、ビジネス観点でプロダクトの成長を最大化させる役割を担います。 f:id:pxvpxv:20200127120207j:plain ピクシブの場合は、ユーザー同士が独自の文化を築いているケースも多いので、その「カルチャー」を保全しながら成長シナリオを描く存在がより重要です。そう考えると、PMMは「開発サイド」の出自であることが理想的です。

一方マーケティング組織は、深い分析・リサーチや、人の心をゆさぶるような企画・表現を考えるプロフェッショナルとしてPMMをリードする役割を担うべきでしょう。

両者がしっかり連携すれば、マーケターが陥りがちな苦労や問題は解決されるのではないかと感じており、そういう意味でPMMは「潤滑油」的な存在であるとも言えます。

 

さらにその先。VUCAな環境における強い組織とは?

VUCA(不確実であいまいな経営環境)という激動の時代を生き抜くためのマーケティング組織をつくる上で、もう1つだけ考えておくべきことがあります。

それは「環境課題に流されずにシナリオを描く」ことが大切だということです。

特に昨今は環境変化が早く、その時に正解でも数か月後に不適になるケースが往々にしてあります。例えばエンタメ領域は、5GやAR、VR、MRといったテクノロジーによる体験の進化、インフルエンサー、新たなメディアの台頭など、とりまく環境の影響予測は困難を極めています。

なので、マーケターとしては「市場変化に都度対応するのではなく、プロダクトの理念に共感してくれる方を大切にする意識」「その理念に基づいた “ブレない未来” を描く力」重要な成功要因の1つだと考えています。

ゆくゆくはそういった「構想力があるマーケター」を輩出していきたいですし、 共感いただけるマーケターの方のジョインをお待ちしております!

pei
大手広告代理店の営業&マーケとして、数多くのマーケティング・クリエイティブ・メディア案件に関わる。ゲーム会社のマーケティング・ブランディングマネージャーを経て、ピクシブのマーケティング戦略室マネージャーに。好きなものはアニメ、バスケ、ピアノ、ダイビング等。