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PIXIV TECH FES.を振り返って

ピクシブはこれまでいろいろな企業カンファレンスを開いてきました。2020年2月にはピクシブのエンジニアが一堂に会するPIXIV TECH FES. を開催しました。 今回はPIXIV TECH FES. のキーノートを務めたCTOのharukasanへのインタビューを通して、PIXIV TECH FES.で話したことについて聞いてみました。話してから今までにどう変わったのか、またカンファレンス開催の狙いや今後のカンファレンスの動きについて聞いてみました。

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PIXIV TECH FES. を振り返って

Q1: PIXIV TECH FES.からだいぶ経ちましたが、当時の発表から変わったこと、進展したことなどはありますか?

PIXIV TECH FES.は、私がCTOになってすぐに開かれたイベントだったので、はじめてCTOとして挨拶する場所になりました。キーノートではピクシブの各分野をリードしているメンバーに登壇してもらい、それぞれの技術分野でどういった方針をもっているのか、ピクシブが目指しているエコシステムについて説明しました。

紹介した施策で実際にリリースされているものも多くあります。クリエイターに価値をはやく届けるために、様々な改善を続けています。(参考: COOとCTOの対談

PIXIV TECH FES.では、ピクシブの各サービスがつながり、ひとつのエコシステムとして機能するというビジョンを紹介させていただきました。これを実現するために、ピクシブの決済、認証認可といったプラットフォーム開発を行う部署をCTO室として直轄する体制にしました。ピクシブが成長し続けるためにはプラットフォームの強化が課題であり、CTO室として各サービスの基盤となる部分をより強化していこうとしています。

総じて、この1年は様々な出来事があったなかでも、TECH FES.があった2月から順調に成長にしてきていると感じます。

Q2: 適切な技術選択を速度を保ったまま行うために「テックリード」をたてているという話がありました。その後、改善したことや、次考えていることはありますか?

テックリードをたてる際におこる問題の1つは各テックリードがどういうことを考えているか、会社全体に伝えていくのが難しいということです。これを解決するために、「テックリード定例」と呼んでいる会議で、各テックリードから事業部の問題点やソリューションを共有し、その内容を事業部長やマネージャーにフィードバックする仕組みに改善しました。

次のアクションとしては、モバイルアプリだけではなく、レコメンデーションのような専門分野にもテックリードをたてようと考えています。これまでテックリードと呼ばれるメンバーでも権限や責任が少し曖昧で、どういったことができるのか、やるべきかということが不明瞭でした。事業部のテックリードと専門分野のテックリードで明確な目的を設けることで、決定やエスカレーションの判断をしやすくし、事業部内の決定をより加速させることを狙おうとしています。

Q3: TECH FES.ではテックリード組織について触れられていましたが、もう少し大きな「エンジニアリング組織」について考えていることはありますか?

ピクシブではエンジニアリング組織のマネジメントをVPoEに委譲する体制をとっています。エンジニアリング組織としては、メンバーひとりひとりがどうなっていきたいかをより強くサポートしていけるといいと思っています。「なんとなく去年より成長している」ではなく成長した部分を明確にし、「この先どうなっていきたいか」をより強く意識してさらに成長していけるようにするのが課題です。

ピクシブはエンジニアでもプロダクトオーナーになれるなど、様々なキャリアの選択肢を用意したいと考えています。だからこそ、先程話したように、レコメンドのような専門分野にもテックリードを置くことで、専門技術に特化したキャリアを選びやすくしました。

Q4: 発表をするにあたって意識していたことはありますか?

一番考えていたのはピクシブという会社を知ってもらいたいということでした。 昔は「ピクシブって会社だったんですね」ということを言われることも多かったのですが、最近は学生さんからも「ピクシブのインターンは人気があるんですね」というようにピクシブが会社として認識してもらえ、何をしているのか理解していただけるようになってきました。 しかしまだまだピクシブのミッションとビジョンについて知ってもらう必要があると思ってます。

これまでテックカンファレンスは何度か開催してきたのですが、技術に深くフォーカスした発表が多いものでした。 今回はピクシブがどういう事業ドメインを扱っているのか、その背景をふまえてプロダクトを開発する中でどういう技術選択をしてきたのかという話をメインにしました。

もちろんピクシブが技術にフォーカスしなくなるわけではないので、さまざまなテクノロジーカンファレンスの場でメンバーには知見を発表してもらいたいと考えています。ピクシブのメンバーが技術カンファレンスで発表する際には、カンファレンスのスポンサーシップなどの形でピクシブのメンバー、技術コミュニティを応援させて頂きたいです。

そういうわけでTECH FES.としての発表では、今私たちが事業を前に進めるために何に注力しているのか、どういう考えで開発しているのか、ということにフォーカスしました。あくまでエンジニア向けの発表ではあったのですが、技術的な選択の背景にある事業の存在を含めた内容になりました。

ゲストに興味を持ってもらえるかという点が心配でしたが、楽しんでもらえたようだったのでなによりです。

Q5: 次回のカンファレンスについては何か考えていますか?

今まさに来年のカンファレンスについて動き始めています。 これまでのピクシブのカンファレンスでは、会場でいろいろな出し物を提供し、それがピクシブらしさを表現できる部分になっていました。現状の社会情勢では、これまでと同じ開催方法をとるのが難しくなっているため、次回の開催は初のオンラインを予定しています。

ピクシブの業務自体もほとんどがオンラインで行われるようになってきています。

オンラインになることでメリットを享受できる面も多くあるのですが、失われてしまう部分ももちろんあります。 例えば関わりのない人とは話さなくなるというのもそうです。コミュニケーションが失われることは、コミュニケーションに重きを置くカンファレンスでは非常に大きな問題です。

さまざまなカンファレンスがオンライン開催されているなかで、 ピクシブもピクシブらしいカンファレンスを提供するために、アイデアを練っているところです。