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「Cookieless」をテーマに、アドテック東京2023 - ad:tech tokyo2023に登壇しました

アドプラットフォーム事業部プログラマティックマネジメント部マネージャーのko_chanです。2023年10月20日(金)に開催されたアドテック東京 - ad:tech tokyo2023にて、RTB House ジャパン株式会社ブースで実施されたディスカッションに登壇しました。

登壇テーマは「Cookielessに向けてパブリッシャーができること~Log in IDを持っている、持っていないPublisherからの本音トーク」です。この記事では、当日お話ししたCookielessの時代に向けたピクシブの取組みについてご紹介します。 adtech-tokyo.com

プログラマティックマネジメント部の役割について

登壇内容に入る前に、私が所属しているプログラマティックマネジメント部がピクシブ社内でどのような役割を担っているのかをご紹介します。

ピクシブの収益源の一つに「広告収益」があります。ユーザーがpixivを閲覧した際に広告が表示され、ユーザーがその広告をclickすることで収益が発生し、Googleなどの広告事業者からピクシブへとお金が支払われます。 つまり、ユーザーからのアクセス数や広告へのアクション数に応じて、広告収益としてお金を得られるという仕組みになっています。

しかし、この支払われる金額は一定ではなく、広告事業者ごとにばらつきがあります。 例えば、事業者Aは1,000PVあたり¥100 、事業者Bは1,000PVあたり¥70 、事業者Cは1,000PVあたり¥50などの金額差があります。 この金額差が生じる理由は様々ですが、その一つは事業者ごとに抱えている広告の案件の種類や数が異なるためです。

そのため、事業者Aが一番高い金額を出している時もあれば、別の時期だと事業者Bが一番高い金額を出していることもあります。 プログラマティックマネジメント部の役割は、いくつもある広告事業者の中から、配信するタイミングで一番高い収益を出せる事業者を選定して広告を配信を行い、広告収益を最大化することです。

Cookielessの時代に向けたピクシブの取組み

ここからは登壇内容についてご紹介します。

近年、プライバシーやセキュリティーに対する考えが益々強固になり、2024年にはGoogle Chromeでも「3rd Party Cookie」が廃止になりCookieless時代が来ると言われております。 その結果、広告のターゲティング精度が今より低下し、多くのデジタルメディアの広告収益が下落する可能性があります。

先ほどの例を用いてご説明します。
「1,000PVあたりの収益が事業者Aが¥100、事業者Bが¥70、事業者Cが¥50」だとします。
それが、Cookielessの時代が来ることで
「1,000PVあたりの収益が事業者Aが¥50、事業者Bが¥45、事業者Cが¥40」
のように、どの事業者からの広告でも軒並み収益が下がることが予想されています。

Cookieの代替手段として、近年注目されているIDソリューションというものがあります。IDソリューションはユーザーのログイン情報を活用するものや、ユーザーの行動などから統計の手法を用いた推定情報を活用したもので、ユーザーの特性データ(性別や年齢など)を個人が特定できない形で広告事業者へ渡し、広告のターゲティングに役立てることができます。

今回の登壇では、ピクシブはログイン機能をもったデジタルメディアの立場で、Cookieless時代にどのように立ち向かうべきかについてお話ししました。

pixivはCookielessを見据えて既に1年以上前にID ソリューションを一部導入した実績があります。 pixivとIDソリューションの相性が良かった理由は、ログイン機能がありかつログインしているユーザーの割合が非常に高い点にあります。図1のように、同じCookieがない広告において、IDのあり・なしで広告の収益性を比較したところ、広告単価が約4-5倍の差になる広告もありました。(※縦軸の数値は仮の数値です) 図1:Cookieがない広告において、Chromeの広告単価を$1と基準をおいた時のブラウザ別のIDあり・なしの広告単価の値。

ピクシブではCookielessの時代に向けて、引き続き様々なIDソリューションやCookieの代替となるソリューションを導入・検証していく予定です。

登壇をしてみて

ブースは満員で立ち見の方々もおり、まさかこんなに人が来てくださるとは思っておらず驚きました。

今回の登壇は、ログイン情報を保有している・していないメディア2社、ログインデータを活用したID提供会社1社、ユーザー推定情報を活用したID提供会社1社の計4社が集まり、異なる立場でディスカッションしました。 異なる立場の人で、一つの課題に対して話しあうことができ非常に貴重な体験となりました。

一緒にディスカッションしてくれた方々、聞いて下さった方々、本当にありがとうございました。

ko_chan
2018年4月に新卒入社。アドプラットフォーム事業部プログラマティックマネジメント部マネージャーでメディアの広告収益の最大化に従事。 世界中の美味しい食べ物と焼肉がとても好き。