こんにちは、広報部のwestenoriです。 ピクシブの主要プロダクトには、プロダクトデザイナー(以下PD)が所属しています。 4名のPDの方に、仕事内容について詳しく話を伺いました!
自己紹介をお願いします
mittsu:VRoid部でデザイナーをしています。2019年に中途入社しました。
chii:2018年に新卒入社し、BOOTH、pixivプレミアムのデザインを経て、今はpixiv事業本部ファンクションユニットでpixiv全般のデザインを担当しています。
kogami:デザインシステム部に所属しており、文字通りデザインシステム(デザイナーとエンジニアが業務を円滑に進めるためのテンプレートのようなもの)を作っています。他にもピクシブのデザイナーが働きやすくなるようなサポート業務や、海外関連のリサーチなどをしています。
伊東コンフェ:2018年に中途入社し、当初はBOOTHを担当していました。現在はFANBOX部に所属しています。
PDの仕事について教えてください
kogami:ピクシブのデザイナーは大きく分類すると「プロダクトデザイナー」と「コミュニケーションデザイナー」に分かれます。
プロダクトデザイナーは各事業部でプロダクトを作り、ブランディングやクリエイティブ、グラフィックのようなユーザーの印象に関わるようなデザインはコミュニケーションデザイナーが担当しています。
mittsu:プロダクトデザインは、社内向けに作成されたプロジェクト進行ガイドブックの「DRAFT → WHY → WHAT → HOW」のフローに則って進行しています。まず「DRAFT」の中でアイディアを出します。「WHY」ではリサーチや課題定義を行い、「WHAT」では実際どういう手段が可能かを考え、体験設計や要件定義をします。「HOW」で手段検証をして、その後UIデザインを作ります。概ね固まってきたら実装し、レビューを経てからリリースします。その後、ユーザーの反応などの効果計測を行います。
実際はUI作成後も何度もフローを行き来して答えを出すので、厳密に全ての手順を踏むわけではありません。
<進行フロー> chii:この図は大きいプロジェクトにおいてフローを細かく分解した際のイメージです。開発するメンバーやチームの状況に応じて、フローを省略したり増やしたりして、各プロジェクトにフィットするように意識しています。
伊東コンフェ:UIがあった方がエンジニアに共有しやすいので、要件を洗い出すためのプロトタイプを先に作っています。機能によって手順を踏めなかったり、タイトなスケジュールで進めることもあります。
kogami:クリエイティブな仕事である以上、フローを踏んだからといって望んでいるものが確実にできあがるとは限りません。テスト環境が充実している部署なら先に作ってからテストをしたり、探索的なプロジェクトならまずはリサーチするなど、ケースバイケースで対応しています。
mittsu:UIのデザインのみがPDの仕事だと思っている方はあまりいないと思います。リサーチしたり、「WHAT」の部分では統一性を考慮して他のプロジェクトと照らし合わせて考えることも仕事のひとつです。
「 WHY」「WHAT」「HOW」などの考え方は、アナリストと似ていますね
mittsu:UIデザイナー、UXデザイナーなど似たような肩書がある中で、ピクシブではPDという呼び方をしています。プロダクトに幅広く関わっているので、今の働き方に相応しい呼び方だと思います。
UXデザイナーの中にはUXリサーチャーとして専門的にやっている方もいますし、PDの各手順の仕事を分けてさらに強化されるとアナリストと言えるのかもしれません。フロントエンド、バックエンドなどをまとめてエンジニアと一言で呼んでいるのと似ていて、UIデザインもアニメーションのUI、エフェクト、グラフィカルや情報設計などもっと細分化できると思います。
kogami:デザイナーもアナリストも課題解決という面でやっていることは近いです。デザイナーは得意なUIでどのようなソリューションを提供できるか、アナリストはデータ分析をもとに、より大きな視点でのソリューションを提供するかだと思います。
ピクシブのデザイナーならではの面白みはどういう点ですか?
mittsu:VRoidユーザーは国内だけでなく海外の方も多いので、世界中の方から反響をもらえることです。SNSやYoutube、海外の掲示板などで使い方の紹介や作品が積極的に投稿されていて、強い熱量を感じています。ユーザーに期待されている機能をリリースすると、たくさんの反応がもらえるのでありがたいです。
chii:2022年にpixivで実施した絵文字スタンプ企画「SUPER pixivEMOOOji Month」では多様な使い方を見て、ユーザーの想像力や創造性に可能性を感じました。ユーザー同士の盛り上がりや繋がりも感じられ、こちらの想定を超える広がりを見られて面白かったです。このような企画はビジネス職に限らずPDやエンジニアが発案することもあります。
kogami:アニメやマンガコンテンツなど自分の好きなことに関わりながらデザインを考えることは、他社ではなかなかできない体験だと思います。またピクシブには、ECからお描きツール、3Dツールなどの複数のサービスがあるため、さまざまなデザインを経験できます。プロダクトが多いためデザイナー同士で知見を共有できるのも魅力です。
伊東コンフェ:自分が担当した機能や体験を通して、クリエイターにより良い創作環境を提供できたと感じた時にモチベーションに繋がります。クリエイターとファンの交流を目的として実施した「FANBOX年賀状2021」では、SNS上で多くのクリエイターから喜びの声を聞けて、貢献できたことを実感しました。
逆にどういったところに難しさを感じますか?
mittsu:リソースの関係などからやりたいことを全て提供できるわけではないため、ユーザーにクリエイティビティを発揮してもらう自由度と、我々が行えることのバランスにはいつも気を使っています。PDだけでなくチームで話し合い、優先順位を決めて取り組んでいます。
chii:新機能や機能改善において新規ユーザーと既存ユーザーの両方の目線で考えるよう常に意識しています。
ユーザーが違和感なく使えるもので、かつプロダクト全体で一貫性がある体験・デザインになっているか、局所最適と全体最適のバランスはいつも気にしています。
伊東コンフェ:FANBOXのユーザーはイラストや小説だけでなくVtuberや音楽、ゲームのクリエイターなど幅広く、万人に受け入れられる機能にするには困難な点が多いです。新機能の開発では、どのジャンルのユーザーに届けるかを明確にしつつ、他のユーザーの自由度を狭めないように気をつけています。
PDが所属する「DesignOps」という社内横断組織について教えてください
kogami:DesignOpsは、デザイナーへの組織的なサポートを目的として2020年に発足しました。ここ数年でPD職の社員が増えたことにより、積極的に活動しています。デザインの知識の共有やキャリアについてなど、さまざまな議論を交わしています。
chii:「デザイナー達を成長させる」「デザイン組織での影響力を上げる」「生産性を上げる」ことをミッションに、デザイナー、組織、世の中に向けてデザインの価値と影響力を最大化する取り組みを行っています。具体的には採用活動や社内への情報発信や、社外イベントへの登壇など事業部内で解決できないテーマを扱っています。
先日開催した「プロダクトデザイナー振り返り会」では、他事業部でのデザインツールの使い方や、デザインの進め方・考え方を聞くことができ、多くの学びと発見がありました。これまで他事業部のデザイナーとそのような話をする機会があまりなかったので、とても参考になっています。
mittsu:Sketchチームでは採用のサポートをしてもらいました。どの媒体にアプローチすべきか、面接の仕方などの進め方について相談に乗ってもらい、チームが求めるメンバーを採用することができました。
kogami:DesignOpsではツール導入の検討も定期的に行っています。デザインツールとしてFigmaを導入し、全社に向けてFigJamの導入を提案しました。FigJamはアイディアを出し合いながら考えることに適しているため、他部署とのコミュニケーションが取りやすくなり、生産性の向上に繋がったと感じています。
どういった方がピクシブのPDとして活躍できると思いますか?
mittsu:仕事以外でも自ら創作をしたり、創作仲間がいる方、知的好奇心が強くあらゆることにアンテナを張っている方はぜひピクシブに来てほしいです。
前職ではプロダクトチームの要求に応じてデザインすることが多かったのですが、ピクシブではプロダクトマネジメントやチーム運営など広く関わることができ、より能動的に考えて取り組むことが増えました。そういった動きを希望する方はとても楽しく働けると思います。
伊東コンフェ:ものづくりは目で見たものと実際にやってみた事に乖離があるので「どうしてこうなるのだろう?」とユーザー視点で考え、手を動かして実行できる方が適していると思います。
僕も前職では、要件に対して正解となるデザインを体験面やビジュアルで応えることがメインでしたが、ピクシブではユーザー視点で答えを探りながらデザインを考えるようになりました。携わる領域も増え、さまざまな経験を積むことができています。
kogami:情熱があり、自ら積極的にデザインや企画のアイディアを出して、プロダクトマネージャーのような動きができる方が活躍できると思います。
また、ピクシブのデザイナーはデザインシステムを積極的に利用しており、全てのプロダクトを通してできるだけ同じ体験をユーザーに提供したいという意識を持っています。そういったユーザーファーストのマインドの強さもとても重要だと感じます。
ユーザー視点を大切にし、より良いプロダクトを届けたいという熱い想いが伝わってくる内容でした。PDの皆さま、ありがとうございました!
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