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さらなるデータ民主化を目指して。次世代データプラットフォーム「Looker」を導入しました!

こんにちは。データ駆動推進室の @jaggy です。

先日7月9日に行われた「Looker」の日本初のイベント「Join The Tour in Tokyo 2019」に登壇してきました。会場では「Embedded Analytics」という対外向けの仕組みについてお話ししましたが、この記事では、ピクシブ社内向けにデータプラットフォーム「Looker」を導入した話を紹介します。

この記事を3行でまとめると?

  • よりデータの民主化を進めるために、ピクシブではSQLを書かずに分析できる環境の整備を進めています。
  • いくつか検討した結果、データ整備面の拡張性・メンテナンス性に強みのある「Looker」というツールを導入しました。
  • 導入後、BigQueryを使っていない部署のデータ活用事例も増え、Lookerの利用が広まるだけでなく、データへの関心度まで上がってきています。

SQL無しでデータ分析が行える環境を目指して

その昔、ピクシブは開発者しかデータに触れない状態でした。サービス用のDBから直接データを取り出さないと、分析ができない状態だったからです。2014年からそれらのDBの内容をBigQueryに同期させ始め、2018年末にはログデータを含むほぼ全てのサービスの主要データが同期されて、それぞれ連結可能な状態になりました。 SQLさえ書くことができれば誰でも自由にデータを分析できる時代が来たわけです。

参考: ピクシブ流データ活用基盤のこれまでとこれから - Speaker Deck

しかし全社員がSQLを書く、というのもハードルが高いものです。データポータル(旧Data Studio)を利用して数値ダッシュボードを作ったとしても、データをドリルダウンしていくためにはSQLが必要となりますし、また、必要な情報を集めるためにはDBの名前やカラムの内容を理解することが前提となってきます。ビジネス系の人間が日常的にSQLを書く文化が根付いているピクシブにおいても、意思決定スピードを考えると「簡単な仮説検証だけであればSQLを書かなくてもできる」という環境を用意する必要がありました。

そこでSQLが書けなくてもデータを見て分析し意思決定ができる、そんな状態を目指すべく、Lookerの導入を決意しました。

なぜLookerの導入を決意したのか

導入にあたって、いくつかのBIツールと比較検討を行いました。その中でLooker導入の決め手となったのは、Lookerが単なる可視化ツールではなく、データそのものを整理し使いやすい形に定義できる仕組みを備えた製品だったからです。

Lookerには、LookMLというSQLデータベース内のディメンション、集計、計算、およびデータ関係を記述するための言語が用意されています。これを使うことで、DB上の各要素をわかりやすい形で定義することができます。

LookMLを利用することで、データベースに全く触れたことがない非開発メンバーにとって「何がどんな意味で、DBのどこにあるのかわからない」という問題が解決できます。

また、一度定義した内容は他のメンバー・チームでも利用できるため、チーム横断で統一した定義を作ることができます。分析の環境でよくある「この単語ってどういう定義なの?」といった質問も「LookMLでこんな風に定義されたもののことだよ」と返せるようになるわけです。

この定義自体が資産となることも魅力の一つです。既存のBIツールの場合、他のツールに移行しようとした際、ツール内で定義した内容を簡単に取り出すことができず、結果大きな手間が発生することがあります。

Lookerの場合、各定義がLookMLでまとめて記述されているため、機械的な処理でその定義を取り出し、簡単にリスト化することができます。ツールを入れる際の条件として「ツールに今後の開発・活動が縛られないこと」を考えていたピクシブとしてはありがたい仕様でした。

また、LookMLはGitで管理できるため、開発を行うエンジニアにとって、開発・管理がしやすい点もポイントです。Lookerそのものはデータを保持しない仕組みなので、なるべくBigQueryのみでデータ処理を完結させる方針を採っているピクシブととても相性が良い、という面もありました。

以上の要素を踏まえ、Lookerの社内導入を決意しました。

入れてみてどう?

Lookerの正式導入が行われたのが 2019年4月なのですが、数ヶ月で社内の約半数のチームがLookerを利用する状態になっており、順調に利用が進んでいるように思います。

また、営業職などのこれまでSQLを使っていないメンバーも、積極的にLookerを使ってデータ分析を行ってくれているようです。「pixivで開催されているイラストコンテストの分析をLooker上で行って具体的な施策提案に繋げた」という話や「広告の表示回数をLooker上で分析して最適化を行う挑戦をしている」など多くの活用例が出てきています。また「こういうデータはLookerで見れないの?」といった相談も多く来るようになり、Looker導入前後でデータに対する興味そのものが上がっているのを感じています。

以上、ピクシブにLookerを導入した理由を紹介させていただきました。次の記事では、Lookerを社内に普及させるために行った施策や、運用サポートをどのように行なっているかなどを紹介させていただければと思いますので、そちらもぜひご期待ください。


なおピクシブでは、データの活用を通してサービス・プロダクトを改善していきたい仲間を募集中です。以下エンジニア向けの募集ですが、Lookerを使い倒してみたい方、まずはお気軽にご連絡いただければと思います!

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jaggy
2012年にピクシブ株式会社に新卒入社。入社後グロースチームリーダー、pixivのプロダクトマネージャーを経験し、直近ではサービスを横断したデータの分析や経営戦略の立案に関わる。 2018年12月よりデータ駆動推進室の室長に就任。データを活用した意思決定の文化を社内に広めるべく活動。 2020年1月より、プレミアム事業部の事業部長に就任。有料会員向けサービスの会員数向上のために事業方針の構築を行っている。