サービスづくり

pixiv MEETUP「数値でみるpixivプロダクトの成長フェーズ – pixivの傾向から紐解く」

ピクシブ株式会社 ピクシブ株式会社
2017.10.5
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2017年9月9日に開催したpixiv10周年記念イベント「pixiv MEETUP -10th Anniversary-」。本イベントではCEOやCTO、エンジニア、プロダクトマネージャーなど様々な立場のメンバーが、これまでどのように考え、どのようにチャレンジしてきたのか技術的知見を交えながら発表を行いました。

本記事では、セッション「数値でみるプロダクトの成長フェーズ - pixivの傾向から紐解く」でのトーク内容をご紹介します。

このセッションでは、アカウントマネージャーの笠原達郎とpixivプロダクトマネージャーの高橋孝太郎が登壇。モデレーターを務める執行役員の清水千年が6つの数字を紹介しながらpixivのこれまでと今を紹介しました。

──まずは「4秒」。これはpixivに4秒に1枚投稿されているという意味です。1日約2万件。それを全部目視でチェックしています。

笠原:最初からやっていたわけではないですが、2013年に人の目でチェックするようになりました。「R-18」というカテゴリがあるのですが、ユーザーによっては「ギリギリ見えてなければいいでしょう」と、アダルト色の強い作品を通常カテゴリで投稿するような攻めた行動に出る方もいます。そういった作品の扱いを適切に行うために我々の方で基準線を引いています。

海外は日本以上にレーティングが厳しくてですね。Google AdSenseなどの広告を適切に配信したり、AppleやGoogleのストアにアプリを円滑にリリースしていくためにも始めました。

──では次の数字の「83%」。これは、実はコミケ参加者におけるpixiv参加者数の割合です。

高橋:コミケに参加するサークルは、毎回約3万2000サークルです。そのサークルはいろいろなところで作ったものを宣伝したり、Twitterとかで拡散したりしていますが、pixivと連携するとpixivで宣伝できるため多くのユーザーがこの連携機能を使用しており、直近のコミケでは約2万2000サークルが連携していました。コミケ全体のうち、イラスト・マンガ・小説に関わるサークルのうち、イラスト・マンガ・小説に関わるサークルは約2万7000ほどですので83%になります。

笠原:連携機能を使っているのが83%ということですか?

高橋:そうです。なので、連携機能を使っていない人も含めると、肌感ですがサークルのうち95%くらいはpixivを利用しているのではないかと思います。

──では次の「446回」という数字は何でしょうか。これは、これまでの「イラストコンテスト」の開催数です。

笠原:pixivが公式に開催しているイラストコンテストで、基本的にはタイアップ広告という形式で、企業さんのプロモーションのお手伝いとして開催させていただいています。応募テーマや賞金・賞品を設定してコンテストを開催して、多くの人に投稿・拡散してもらいながらプロモーションにもつなげていこうというものです。

実は源流をたどると、最初はユーザーが自発的に始めたものでして。2007年にpixivが始まってからほどなくして「みんなでテーマを決めてお題を出しあってイラストを描こう」というのがユーザー企画として始まりました。

それを受けて、我々も2008年には公式企画として「ピクシブたんを描こう」というのを始めました。「こういうのを描いてね」とテーマを提示しただけなのですが、反響がすごくて。それまで、どういうプロモーション商材の可能性があるかと考えてたんですが、イラストコンテンツが我々の独自商材になるのではということで、販売を開始しました。

──具体的にはどのような業種のプロモーションが多いのですか?

笠原:初期はpixivがサブカル系のオタクなサービスというイメージが強かったので、2008年~2009年頃はゲーム会社がほとんどでした。その後はゲーム会社のみならず、出版社、広い意味でのエンタメ業界、飲食などもそうですし、最近ではロート製薬さんなど、業種を選ばずナショナルクライアントと呼ばれる企業にも広がりました。

──では次は「2,147,483,647回」……約21億。これは2016年2月時点の累計ブックマーク数です。エンジニアにはピンとくるかもしれませんが、この値は「int変数」の最大値を超えています。

※int変数……プログラミングに用いるint型(整数型)の変数のこと。-21億4748万3648から21億4748万3647までの数字を格納できる

高橋:pixivのアプリ版では、ブックマーク数のカウントにint型を利用していたのですが、この値を超えるとint数という形で数字が数えられなくなるため、ブックマークが数えられなくなってしまいました。

これが生じたのは2月14日だったのですが、この日はバレンタインデーなのですよね。pixivでは、イベントごとに投稿が盛り上がる傾向にありまして、ブックマーク数も普段の20%増になります。それで、バレンタインデーである2月14日に『アプリでブックマークができない』とユーザーからの大量の問い合わせが寄せられることとなり、エンジニアは悲しいチョコをもらうことに・・・。もちろん、すぐにエンジニアが対応しました。ユーザーのみなさんにはご迷惑をおかけして、申し訳なかったです。

──次の数字は「17,000,000,000」、約170億。これは広告の月間総imp数(インプレッション=広告の表示回数)です。

笠原:現在1カ月に約170億回、広告を表示しています。広告業界じゃないとピンとこないかと思いますが、国内のアドネットワーク/SSP等の配信広告事業者でも月間数百億imp規模の事業者は少なくないので、1メディアで170億はかなり大きい数字になります。

あまりにも在庫数が大きすぎるので、会社としてビジネスが成長するに当たっては、アドテクノロジーの進化がないと追い付かなかったと思います。170億の配信数を手売りで営業かけても売り切れないので、アドテクノロジー業界の成長にはかなり支えられました。

──現在のユーザーの男女比はどうなっていますか?

笠原:最初は男性が多く、しばらく半々だったのですが、現在は女性の方が多いですね。

高橋:PCと比べるとスマホの方が女性の割合がもともと高かったのですが、特に最近では、スマートフォンやアプリのユーザーの伸びが大きくなっています。それによって、女性ユーザーのアクセスが強いメディアに変化していっています。男女によって使い方が違ったりもするのですが、コメントやいいね!などのリアクションの率や数は女性の方が高いですね。

──pixivならではのターゲティング広告などはいかがでしょうか?

笠原:女性限定の配信などもできますし、投稿者(pixivに投稿したことがある人)だけにイラストレーターの求人広告を出すといったこともできます。また、タグで絞り込んで配信するというのもやっています。

例えば「おそ松さん」というタグが付いたページにおそ松さん関連の広告を出すと、当たり前ですがめちゃくちゃ反応率が高くなります。しかし、いかんせんpixivも十数万ものタグがあり、1つのタグでは母数となるimp数が少ない。そこで複数のタグをグループ化してターゲティングするというのをやりたいと考えています。

高橋:それは閲覧するときにも活かしたいですね。そのタグを知っていないと検索できないという弱点があるので、ゲームとかでまとまったタグがあればポチポチと進んでいけると考えています。

──続いては「19500/26000」という数字です。新卒社員は誰も答えられませんでしたが、これは1日あたりの海外での登録ユーザー数と、総登録者数です。7割以上が海外からということですが、どういう背景なのでしょうか。

高橋:海外からの登録は、アプリの伸びで増えています。2015年くらいから特に伸びているのがグラフに見えています。 また、日本と違って特徴的なのはPCからの登録数も伸びている点です。これは多分海外のネットワーク状況によるものです。海外だと家でWi-Fiを使ってアクセスする。画像サービスなので重めのサービスととらえて、PCで閲覧する層が一定数いるのではないかと思います。

──海外ユーザーが多くなると投稿や閲覧の体系も変わるかと思いますが、どのような影響がありますか?

高橋:海外ユーザーが入る方が盛り上がるのではないかと思います。海外ユーザーはコメントやスタンプを日本人以上に積極的に送る傾向があります。絵を描く人からも、評価として匿名でボタンを押されるより「ここがよかった」と言ってもらえる方が嬉しい、という声をもらっています。作品に「よかった」と言ってくれるのはやはり励みになりますから。

──今後こういことをしたいというのを発表してもらえますか。

高橋:特にPC、アプリ版の閲覧数を伸ばし、全世界ユーザーに使っていただくサービスにするのが目標です。例えば、現在は英語だと検索しにくいという問題があるので、それをより使いやすくしたいと考えています。

笠原:今後、広告も海外ユーザーには高い精度でローカライズされた海外広告を出すというのを今以上にきっちりとやりたいと思っています。あわせて、ユーザーに向けたカスタマイズもより手をいれていかないといけないと思っています。現在はコンテンツ側のみで「このユーザーはこういう作品が好きだろう」というレコメンドをやっていますが、これは広告とコンテンツで分けて考えるものではありません。「こういうユーザーにはこういう広告がいいだろう」ということを、コンテンツとあわせてカスタマイズするのを、テクノロジーを使ってどう進化させていくかが今後のミッションです。

次回はセッション「エンジニアの働き方 - クリエイターファーストなエンジニアカルチャー」の内容をご紹介します!(※ 近日公開予定)

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