こんにちは、3Dビジネス室のwatasukeです。
3Dビジネス室は3Dモデルクリエイターの創作活動を支援することをミッションにしたチームです。
この記事では、その一環としてBOOTHの「3Dモデル」カテゴリに関する取引データをかいつまんで公開いたします。
3Dモデルカテゴリの取引推移
まず、3Dモデルカテゴリの取扱高と注文件数の推移をご覧ください。
取扱高、注文件数ともに急速に右肩上がりに伸びていることがわかります。
2022年の3Dモデルカテゴリの取引実績は、取扱高が約24億円、注文件数が約148万件でした。
それに比例して注文者数も増えており、市場が拡大していることが見て取れます。
2022年における3Dモデルカテゴリの注文者数は約12.9万人でした。
3Dモデルカテゴリの伸びた要因
3Dモデルカテゴリの取引は、内部要因と外部要因それぞれに支えられて伸長したと認識しています。
内部要因としては、BOOTH自体の改善やVRoidプロジェクトの開発が挙げられます。
BOOTHの改善について、具体的には
- 3Dモデル関連のカテゴリ整備
- 定期的な3Dモデル関連特集公開
- キーワード除外検索リリース
- 3Dモデル関連の表記揺れタグの正規化
- スキ順検索の追加
- 価格下限検索可能化
- 段落内検索可能化
- ダウンロード商品のギフト機能リリース
などが挙げられます。
これらの改善にあたっての関わり方は3Dビジネス室がBOOTHチームに開発要望を出しただけのものから、仕様策定から開発まで3Dビジネス室リソースで対応したものまでありますが、本筋からずれるので別の機会に。
外部要因としてはVRChat等のVRSNSの隆盛や、3Dモデルの流通に特化したイベントの開催、そしてそれらのデータの取引にBOOTHを利用いただけたことなどが挙げられます。
売れ方の特徴
2022年に3Dモデルカテゴリ商品を公開したショップ数は8,979で、そのうちそれらの商品が1回でも売れたショップ数は5,833でした。
商品の価格帯についてだと、3Dキャラクターカテゴリ(いわゆるアバター)に関する注文との関係が見えるのが以下のグラフ*1です。
安いほうがよく売れるわけではなく、むしろ価格の高い5,000〜6,999円がボリュームゾーンであることがわかります。
3Dモデルカテゴリのファンは、価格よりも、商品の魅力や商品を通じて得られる体験の価値を重視していると言えるのかもしれません。
ちなみにこのボリュームゾーンは年々価格が上がっていっています。
価値が認められクリエイターに還元される金額も増えるのでいい傾向かな、と個人的には思います。
3Dモデルへの年間支出額に関するデータもご紹介しましょう。
こちらも、支出額が増えるにつれて該当ユーザー数がどんどん減っていくかというとそうではなく、高額な支出をされる方も多数いらっしゃいます。
カテゴリに対する熱量の高さが感じられます。
3Dモデルカテゴリの特徴
3Dモデルカテゴリは他のカテゴリと比べても顕著な伸びを見せているのですが、特に注目すべきは以下のような傾向です。
- 注文者数あたりの注文回数が他カテゴリの数倍以上ある
- アバター本体を販売しているショップだけでなく、その関連アイテムのみを販売しているショップも一定の売上を上げている
- 単価の高さがそこまで敬遠されず、ニーズがあるものは売れる
また、特に3Dモデルカテゴリは他カテゴリと比べて「まずBOOTHに来て探す」という購買行動が多く見受けられます。
他のカテゴリだとクリエイターが自身でpixivやTwitterなどのSNSで宣伝をし、そのURLから流入する割合も多いのですが、3Dモデルカテゴリの場合「3Dモデルを探すならBOOTH」という認知をしていただいている方も多いためか、特に「まずBOOTHに来てから商品を検索する」といった行動が目立ちます。
そのため、他カテゴリよりも「クリエイターとしての認知度が低くても商品が良ければ売れる」という傾向があるようです。
販売方法にも他カテゴリにはない特徴が見られます。
- 試着イベントを開催する
- 自身のアバターに対応した衣装モデル等をまとめて紹介する
- 対応衣装をアバター販売と同時に展開できるよう先行招待する
- メッセージ一斉送信機能を使ってデータ更新をお知らせする
このように、クリエイターとファン双方の非常に活発な活動によって3Dモデルカテゴリの取引は支えられていると言えます。
おわりに
3Dモデルカテゴリへの興味を深めていただけましたでしょうか?
まだ3Dモデルカテゴリ分野に馴染みがないという方も、ぜひこの機会に飛び込んでいただけると幸いです。
つくる側でも、楽しむ側でも!
■追伸
3Dモデルを扱う世界の発展に貢献したい方、特にRuby on Railsエンジニアを強く募集しています!
*1:2022/01/31 13:16 公開当初グラフに誤りがあったため修正しました