2018年以来、事業部横断でのエンジニア職組織「エンジニアギルド」が営まれてきました。
エンジニア職の当事者として採用・育成・評価を同じ思想でサイクルを回して、自分たちをさらに信頼性の高いプロフェッショナルとして成長していくというもので、採用改善や研修企画とあわせて、エンジニア同士がチームの垣根を越えて開発や意思決定のプロセスを交換しあう「ギルド 1on1 面談」という取り組みが主な活動です。
この5年の活動実績と事業・組織拡大を背景として、2023年11月より体制図上の公式組織としていわゆるEngineering Office機能を持つエンジニアリング室が立ち上がりました。
なぜ公式組織になったのか
これまでは会社公認でのエンジニア当事者たちによるコミュニティー活動でした。
ピクシブのエンジニア文化は事業で立脚している技術やメンバーたちの出身から、オープンソース開発や技術コミュニティーの雰囲気を強く引き継いでいます。そのため社内エンジニアの取り組みとしても、仕事・業務が強くでる部署活動よりもコミュニティーベースの方が親和性が高く、早期に成果を出していけるメリットがあります。
この5年、事業発展と技術多様化、エンジニア数の増加という変化に対応するかたちで、エンジニアギルド運営として拡大とバトンタッチを重ねながら漸進的に活動水準を磨き上げてきました。
この方式からの転換に今踏み込んだのは、2023年夏に行った社内エンジニア職全員集合イベント「エンジニアギルド総会」と、それに続くエンジニア職全体のイシューを扱う集中討議会。
それらを通して、今後もテクノロジーやエンジニアリングはピクシブの事業として欠かせないものであるとともに、乗り越えるべき課題や対処すべき摩擦を考えると、よりオフィシャルに承認を得た取り組みとしてエンジニアギルドの推進力を高める必要性が浮き彫りになりました。
その議論をもとに、エンジニア職のみならずエンジニアリングという事柄全体の強化をミッションとするエンジニアリング室という名称の組織として、他事業部の横に並べて配置することとなりました。
初期メンバー
今まで採用・育成などの活動を担ってきたエンジニアギルドの運営スタッフは、そのままエンジニアリング室を兼務として持って、引き続き担当していきます。兼務比率や活動の関わり方は本人意向をもとに調整を進めます。
こういう組織自体はCTOやVPoEが持つこともポピュラーですが、今のピクシブの規模ではCTO・VPoEはルートの位置づけとして全体の戦略やスペシャルなアプローチに専念し、この組織では事務局機能や実動指揮を受け持つことで、スピード感のある責務バランスを実現する狙いを持ちました。
この構想を早期に実現するため、先発のエンジニアリング室長として、2018年のエンジニアギルドの立ち上げ人のbashがお預かりしています。この件の提案を主導した張本人で最も活動イメージを持っていること、前VPoE・元関連会社CTOの経験があり、こういう不確実性の高い裏方をよしなにすることが好きすぎることから、もっとも手堅い人選であると自負しています。
逆に言うと、面白みに掛けるチョイスではあるので、早期にフレームを整えて次世代にバトンを渡し、CTO・VPoE・エンジニアリング室長の三役として体制化を確立したいと考えています。
取り組み内容
詳細はここから取り決めて言語化するところですが、一般的なEngineering Officeと同様に以下を社内のステークホルダーたちと一緒に進める考えです。
- エンジニア採用推進
- エンジニア育成推進
- エンジニア評価推進
- オープンソースや技術コミュニティーのリレーション強化
- エンジニアキャリア開発
- 生産性向上
- 各事業部からのエンジニアリングお悩み相談
また、今後も社内エンジニア職をまとめる「エンジニアギルド」というネームスペースとコミュニティ的な活動は継続し、自分たちで発展させることを大事にし続けたいと思っています。
初期は運営スタッフをエンジニアリング室所属としましたが、今後についてはこの室に所属しないかたちでのコントリビューションをやりやすくする仕組みをあわせて設置します。またいわゆるエンジニアリングマネジメントのキャリア形成のひとつとしてエンジニアリング室を主務として活動できるようにして、経験の選択可能な幅を広げていく考えです。
今後について
エンジニア職にとどまらず、エンジニアリングという一般スキルを社内全域に行き渡らせることが、今後の事業発展に大きく寄与するものと考えています。一朝一夕でその水準にたどり着けるわけではないですが、実現すると今以上にピクシブの業務という創作活動を楽しめて、より高い成果も得られると信じています。
先に発信したピクシブワークスタイルとあわせて、色々なかたちでたのしく仕掛けを施していこうと思うので、おたのしみに!