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「感情展」連動コンテストの舞台裏を紹介!pixivプランナーの仕事とは

2026年2月より開催された「感情展ー短歌で詠み、イラストで描くー」(以下、感情展)。ピクシブは、この展覧会と連動したコンテストに協力しました。今回は、企画に携わったamanatsuさんに、コンテスト開催の背景やポイント、そしてpixivプランナーとしての仕事のやりがいについて詳しくお話を伺いました。

自己紹介をお願いします

2023年に中途入社し、Pixiv Division Pixiv SectionのPlanning & Communication Unitにプランナーとして所属しています。主な業務は、コンテストの企画運営やイベントなど、pixivに関わる施策の立案と実行です。以前はコンテストの企画運営がメインでしたが、機能面のPRも含め、より幅広く手がけています。
過去に関わった思い出深いプロジェクトは、pixivの登録者数が1億人を突破した際の「My pixiv Memories」という企画です。ジャンル横断の投稿企画やピールオフ広告などを展開しました。

inside.pixiv.blog

「感情展」連動コンテストについて企画内容を教えてください

「感情展」は、イラストと短歌を<感情>という軸で結びつけた展覧会です。これは令和7年度「日本博2.0」の委託事業として、株式会社KADOKAWA、独立行政法人日本芸術文化振興会 文化庁が主催し、イラストレーターのMika Pikazoさんがクリエイティブディレクターを務めました。pixivではこの企画と連動した2つのコンテストを実施いたしました。私はプランナーとして、企画立案、コンテストに関連するプロジェクトマネジメント、外部企業やパートナーとの渉外を担当しました。

感情展会場の様子

どのように企画がスタートしたのか、背景を教えてください

プロジェクトは2025年2〜3月頃に動き出し、コンテストは同年9月頃に開催されました。企画のきっかけは、pixivからこの展覧会と連動してコンテストができないかという声が上がり、企画を提案させていただいたところ、Mika Pikazoさんからも「コンテストを実施して、会場に受賞作を展示できないか」というご相談をいただいたことです。
短歌とイラストのコラボレーションという展示内容に合わせ、「イラストから短歌を詠む」コンテストと「短歌からイラストを描く」コンテストの2軸で、相互に作品を生み出す企画を立案しました。以前、俳句を用いた同様の相互創作コンテストの経験があり、その手法を今回の企画に応用することができました。
その後、具体的に「どんなイラストで短歌を詠むか」「どんな短歌でイラストを描くか」というテーマ選定に進みました。イラストについては、Mika PikazoさんやKADOKAWAさんとブレストを重ねながら候補を絞り込み、「短歌の詠みやすさ」という視点で選定を行いました。短歌については、監修者の方々から候補をいただき、テーマを決定しました。

感情展コンテスト(イラスト部門) www.pixiv.net 感情展コンテスト(短歌部門) www.pixiv.net

コンテスト実施に至るまでの仕事の流れを教えてください

企画が固まると、まずコンテストの応募要項を作成する作業を進めました。応募における全てのルールを定義するものなので、非常に大事なステップであり、厳密に進める必要があります。
次に、メインビジュアルなどのクリエイティブ制作を社内のデザインチームに依頼して進めました。制作期間がタイトで、かつ英語版も必要、など要件も多かったため、こちらでイメージラフを作成し、社内のデザイナーと綿密に打ち合わせながらスムーズな進行を心がけました。

イラストコンテストバナー
短歌コンテストバナー

コンテストの応募期間が終わると、次は受賞作を決めるステップです。各コンテストによって流れは異なりますが、今回はオフラインで「最終審査会」を開催しました。審査員としてクリエイティブディレクターのMika Pikazoさんと歌人の榊原紘さん、また主催のKADOKAWAのプロジェクトメンバーや展示のデザインチームなど、多くの関係者が集まり受賞作を選定しました。私は審査会全体の手配に加え、議論が円滑に進むようファシリテーターも務めました。
受賞作決定後は、感情展会場での展示と図録への収録に向けた監修を行いました。展示については、デザイン・施工チームと連携して最適な見せ方を検討し、図録についても編集担当者と連携して進めていきました。

※図録はこちらで購入することができます(2026年4月現在) http://www.amazon.co.jp/dp/4046858117

感情展図録

プロジェクトを進行するうえで気を遣った点やこだわったポイントはありますか

「企画内容をいかに分かりやすく伝えるか」を重視し、テーマ選定にはかなり気を遣いましたね。「イラストから短歌を詠む」「短歌からイラストを描く」という企画は、参加者にとってあまり経験のない難しいチャレンジです。コンテストのテーマが、ユーザーさんの反応や受賞作の方向性に大きく影響することが予想されました。「どういう短歌ならイラストが描きやすいか」「どのような絵なら言葉が浮かびやすいか」をプランナーである私からも積極的に提案し、関係者の皆さんと検討していきました。
特にイラストテーマについては、視覚情報から抽象的な言葉を引き出すため、「物語性」があり、根幹テーマである「感情」をより読み取れるようなイラストを選びました。さらに全てのテーマイラストに「人物」を入れたのもこだわったポイントです。短歌や俳句に人物を詠み込むのは難しいのですが、pixivらしさやイラスト文化の特性を取り入れるためには人物描写は欠かせないと考えました。イラストに描かれた人物の物語を想像し、作られた応募作品たちを見て、狙いがうまく伝わったことに安堵しました。 テーマ短歌についても、現代人にとって理解しやすく親しみを持てる内容を心がけ、「その気持ち、分かる!」と共感してもらえるものを選定しています。
また、テーマ短歌には「与謝野晶子」や「北原白秋」といった近代短歌が含まれていたため、普段こうしたクラシックな作品に慣れていない方にとって言葉が難しく、耳慣れないという課題もありました。そこで、テーマ短歌に親しみを持っていただけるよう、全作品に現代語訳と解説をセットで掲載するよう配慮しました。
展示会にも参加されている榊原紘さんに審査員を担当いただいたことも、 嬉しかったことの一つです。榊原さんは、オタク文化と短歌の親和性を説く『推し短歌入門』を執筆されている歌人です。ピクシブとしては、以前pixivision記事で取材させていただいたご縁もあり、pixivに短歌文化を取り入れたいという想いもあったため、結果的に非常に良い形になったと感じています。

コンテスト参加者や関係者からの反響で、印象に残っているものはありますか

やはり、コンテスト全体で3,000作品以上の応募と大きな反響を頂いたことですね。受賞作品のクオリティも非常に高く、普段pixivで開催しているコンテストではあまり見られない作風が多かったことも印象的でした。
テーマイラストを描いたイラストレーターさんのファンの方が、短歌に初挑戦してくださったという嬉しいエピソードもありました。創作への新しい挑戦のきっかけを提供できたことに、プランナーとしても手応えを感じました。

実際に展示をご覧になった時の気持ちを聞かせてください

会場全体に対してコンテスト展示エリアもかなり広く用意していただいており、迫力に圧倒されました。

連動コンテスト展示の様子

美術館の企画展という本格的な場に作品を展示できたことで受賞者の方々にはとても喜んでいただけました。また、私自身にとっても貴重な経験となりました。
感情展はインバウンド向けの側面もあるため、展示、図録、コンテスト案内を全て日英の二言語で対応しました。その結果、海外からの応募や受賞者も多く、多様なクリエイターに参加いただけたことも大きな成果だと感じています。

連動コンテスト展示の様子
連動コンテスト展示の様子

pixivプランナーの仕事は、どのようなところにやりがいや楽しさを感じますか

一番のやりがいは、新しい創作体験を提供できることです。コンテストを目にしたユーザーが「このテーマで何かを作ろう」と考え、実際に創作活動を行うきっかけを生み出せることに面白さを感じます。コンテストを機に作品作りに挑戦した方から「良い経験になった」といったポジティブな声をいただく瞬間は、プランナーとして本当に嬉しいです。

pixivプランナーに求められるスキルや経験はありますか

「やりきる力」がまず大事だと思います。前例のない大規模企画に予期せぬトラブルはつきものですが、コンテストや展示の開始日は絶対に動かせません。何が起きてもその日にスタートさせるために、限られた時間の中で優先順位を見極め、取捨選択や判断を下しながらゴールを目指す推進力が重要になります。
そして、「ユーザー視点に立って考える力」も非常に大切です。どうすれば興味を持ってもらえるか、楽しんでもらえるかを徹底的に追求する姿勢を持つことが企画の成功に繋がる大きな要素だと感じます。
また、どんなものが世の中で人気なのか客観的な視点で分析し、それを企画に活かすことが重要だと思います。

今後チャレンジしてみたいことや、成長したい目標はありますか

今回の「イラストから短歌」「短歌からイラスト」のような相互創作コンテストは、これまでにない新しい創作体験を提示できた、pixivならではの試みだったと思います。今後はこうした領域をさらに広げ、より豊かな創作の形をユーザーの皆さんに楽しんでいただければと思っています。
また、海外ユーザーとの関わりも深めていきたいです。様々な国・地域のクリエイターやユーザーが参加し、国境を越えたコミュニケーションから更なる化学反応が生まれるような企画にチャレンジできたらと思います。


Pixiv Sectionでは、pixivプランナーを募集しています。業務に興味をお持ちいただいた方は、以下エントリーフォームよりご応募をお待ちしています! hrmos.co

ピクシブ株式会社
「創作活動を、もっと楽しくする。」 クリエイターに、創作活動やファンとのコミュニケーションを楽しんでもらいたい 世の中のクリエイターの創作活動を支え、創作文化を刺激していきたい そんな想いで、私たちピクシブは世界中の人々の創作活動を支える事業を行っています。