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WACATE2019冬参加レポート 全員初参加!テスト漬けの二日間の感想は?

みなさんこんにちは!ピクシブの一人QAエンジニアの @shimashimaです。

昨年12月に開催された合宿形式の勉強会WACATE2019冬〜あなたの番です〜に参加したので、そのレポートをお届けします。 WACATEには、過去2回弊社社員が参加しており、いずれも本ブログにて報告を行っています(2018年夏2019年夏)。

WACATEとは?

WACATE(ワカテ)とは、主に若手テストエンジニアを対象としたワークショップです。有志によって「ソフトウェアテスト」をテーマとした1泊2日の合宿形式の勉強会が、年に2回開催されています。WACATEという名前は、Workshop for Accelerating CApable Testing Engineersの略称です。

WACATEでは、夏は一つのテーマを深く、冬は複数のテーマを広く扱うという運営がされています。前回2019年夏のテーマは「納期半端ないって!」ということで、限られた状況下での計画から実施・報告まで行うというものでしたが、今回は各セッション様々なテストに関する話題が盛り沢山の内容となりました。

社員参加3回目となるWACATEですが、実は冬の参加は今回が初めて。どのような内容だったのでしょうか。

参加者紹介

参加者を募った際は、過去2回と同じように、Slackでの呼びかけ、直接の声かけを行いました。その結果、新卒4年目のfudafoota、新卒1年目のfono、そして当時CTOのedvakfが参加することなりました。

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shimashima

ここからはインタビュー形式でお送りします。

shimashima: 各自簡単な自己紹介とWACATE参加の目的などを教えていただけませんか?

fudafoota: 2016年4月から、クリエイター支援プラットフォームpixivFANBOXの企画、リリースから大規模リニューアル、機能開発、運用を経験してきました。Webサービスの品質の定義やテストの手法を知って、プロダクトで応用していきたいという思いで参加しました。

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fudafoota

fono: サービスプラットフォーム事業部データ駆動推進室に新卒として入社しました。Google BigQueryLookerといったデータ基盤を支えるエンジニアとして、データ基盤とそれが持つデータそのものの品質をどう担保していくか知見を得るために参加しました。

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fono

edvakf: 2019年12月までCTOとして全社のシステム設計と組織設計をしていました。WACATEに参加したのは、会社でシステムの品質を上げていくための品質ポリシーについてアイデアが得られたら、という経営者目線的な思いからでした。

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edvakf

shimashima: 皆さん、自己紹介ありがとうございます。ここで最初にお断りしなければいけないのですが、実は私自身はWACATE前日に体調を崩してしまい参加できませんでした。WACATE実行委員の皆様にもご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。

WACATEに参加してみて

WACATEの感想・良さ

shimashima: まずは、皆さんがWACATEに参加した感想を教えてください。

fono: 交流と学習の両面で高い密度になるよう、よく作り込まれた勉強会だったなと思いました。自己紹介のセッションで、いろいろな業界から参加者がいることが分かりました。ワークショップ中に出す成果物を互いに見比べる中で、居るフィールドの違いを改めて実感したのと同時に、その違いが交流と学び両方に繋がっているなと思いました。

fudafoota: 合宿形式ということもありますが、今まで参加したことのある勉強会と色々と性質が違っていて、すごく新鮮な体験でした。コミュニティの中で運営メンバーだけでなく参加者同士でも会の成功に向けて自発的に動いているなど、参加者全員でこの会を有意義にするためにアクティブに活動していた印象でした。自分の仕事、ソフトウェアテスト、品質について朝から深夜まで語るような情熱にあふれていました。

edvakf: 「テストエンジニアの成長を加速」というコンセプトを端々から感じることができて気持ちが良かったですね。例えばセッションはだいたいワークショップがついてきて、自分と他の参加者の皆さんの理解度が確認できます。参加者が運営になり、運営になったら発表者になり、それぞれの会社内や業界の第一線で活躍して羽ばたいていくという流れができていて素晴らしいイベントでした。

僕自身のキャリアのバックグラウンドは開発エンジニアだと思っているのですが、テストエンジニアやQAエンジニアの方々が普段どういうことを考えて仕事しているのかを知れたのも良かったですね。共通言語ができるとコミュニケーションもスムーズになると思います。

気になったセッション

shimashima: 冬のWACATEはバラエティーある多数のセッションで構成されていました。特に気になったセッションはあるでしょうか。

fono: 「テスト設計をより良くするモデリングと観点分析」が興味深かったです。モデリングとテストの対応関係や設計しやすさなどなんとなくあるとは思っていたことが、明示的にこのテストにはこのモデリングの知識領域と対応するなどと整理して例示されました。この結果、テストの文脈の言葉に非常にとっつきやすくなりました。

fudafoota: 「WACATE流勉強会のつくりかた」が面白かったです。WACATEを例に、勉強会を主催するために何を意識するかについて、わかりやすく語られたセッションでした。WACATEでは、同じ会社の人は基本的にばらける、席替えを挟んで自己紹介を2回行い、2回目のチームでワークを行うという仕組みをとっています。このような運営のやり方がどのような意図で行われているかという裏話を聞くことができ、とても興味深かったです。

edvakf: 「ソフトウェアテスト7原則」についてのセッションが興味深かったです。7原則の存在を知らなかったので内容が新鮮でした。ソフトウェアテストに関わってきた人たちの積年の苦労を感じるセッションでした。 f:id:pxv:20200131180032j:plain

夜の分科会

shimashima: WACATEには恒例となっている「夜の分科会」という企画があります。これは初日の夜に有志が集まり、実行委員以外が持ちこんだネタでおのおの語らうというものです。夜開催ということでテンションがあがった状態で熱く語り合うことがあったと思いますが、みなさんはどうでしたか?

fono: 夜の分科会は「形式手法って何だろう」のセッションの疑問・復習会に参加しました。大学での研究ではボトムアップで全部書くタイプの仕様記述を用いていましたが、それとは違う漸進的に仕様が詳細化することを許すモデル記述を知りました。

shimashima: 昼に学んだことの疑問を確認したり深堀したりするのはまさに分科会らしくて面白いですね。他に何かありましたか?

fono: また、夜の分科会の後に行われる深夜の分科会にも参加しました。そこでは、たのっちさんのJSTQB ALのシラバスを読んで作問する会に参加しました。たのっちさん本人がJSTQB AL取得者で、シラバスからの作問を行う観点なども理解していて、出題側がシラバスをどう読んでいるかがわかる会でした。この分科会内で実際に1つ作問することができました。

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shimashima: JSTQBの勉強をするには、実際に作問するというのが効果的そうですからね。私もJSTQB ALは取得していますが、勉強法には苦労した記憶があります。 fudafootaさんはどうでしたか?

fudafoota: よしたけさんのテスト観点を作成する会に参加しました。 「電話番号」についてのテスト観点を作成する、というテーマで、これは実際に社内で行われたものと同じテーマのようでした。ブレスト的にいったん思いつく観点を集めきった後はそれらを分類してまとめていく、という方法でした。

shimashima: 社内で実際に行ったワークショップの実演ですか。興味深いですね。

fudafoota: 人数が多かったのでチームを2つに分けてそれぞれ観点を作成していったのですが、チームごとに全く異なる観点が出てきたのが面白かったです。自分が参加したチームは特に電話番号の桁数についての仕様を出していったのですが、他方は主に多種入力UIについて話が発展していました。VRヘッドセットをつけた状態での入力や、入力中のシステム割り込み、などについても話が発展していて面白かったです。テスト観点というものをあまりよく知らずに参加したのですが、そこまで堅く考える必要がなく、むしろ脱線するような柔軟性が求められるものという考え方が学べたのは大きかったです。

shimashima: 「チーム毎に異なる観点が出てきた」というのは、QAあるあるですね。人によって出てくる観点が異なってくるという。その辺りの差異が体験できたというのもいい経験ですね。

edvakf: WACATEって、セッション以上に参加者同士の繋がりも大事にしてるなーというのがとても伝わってきます。それはたぶん、仲の良い同業者のロールモデルの存在こそが成長を加速する原動力になると運営の皆さんも考えてるからだと思うんです。夜の分科会とか、その後の二次会とかで砕けた話ができることも、そういう横の繋がりを作るための演出なんでしょうね。 f:id:pxv:20200131172755j:plain

WACATEを振り返って

shimashima: WACATE全体を振り返っての感想や、今後の仕事への展開の仕方など皆さんいかがでしょうか。順番に語ってもらいます。

fono: 普段はシステムの内部が見れる状態で実装をして、自動テストを書いて、という業務を繰り返しています。このとき、システムを見るときの視点が、実装を知っているゆえに強いバイアスがかかっていた事に気づけました。 この視点というのは、システムを外から見る視点でもユーザー視点とはまた別のもので、エンジニアリングをしているが実装の外にいて品質を担保するための視点です。その視点を用いて仕事をする人としっかりとWACATEで交流することで、より実装を知っているが故のバイアスを実感できました。 その結果、日々の業務の中で作る成果物における評価と改善のための武器が一つ増えた感覚があります。

fudafoota: 以前から社内外でいい噂を聞いていたWACATEに実際に参加して、想像以上に有意義で濃密な時間を過ごすことができました。セッション登壇者や参加者のQAエンジニアの方と話すことで、今まであまりなじみのなかったソフトウェアテストの世界で当たり前とされていること、そしてそれらの役割を知ることができました。これからのスキルアップのためにすべきこともわかったので、今後の開発に役に立てていくモチベーションとなりました。

edvakf: CTOという立場で経営者目線チョットワカルエンジニアがWACATEに参加して一番良かったことは、「共に高みを目指す同業者繋がり」の大切さを体感して学べたことです。 テストエンジニアに限らず、もしあなたの専門分野が特殊で社内にロールモデルが居なかったり、社内に同じロールモデルを目指す親しい人が居なかったりしたら、一度で良いので社外で専門分野の若手勉強会などに参加してみてください。 絶対にキャリアのためになるはずです。

shimashima: ありがとうございます。参加した皆さん、それぞれ得るものがあったようですね。edvakfの「社外へ」というメッセージは、一人QAの私にとっても力強い応援になりました。 次回のWACATEもまた仲間を募って参加していきたいと思います。

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テスト/QAに興味のあるエンジニア募集中です

入社以来私は社内で唯一のテスト/QA専門として働いており、まだ同じ専門の仲間はおりません。ですが、今回WACATEに参加したメンバーを含めテストに興味のあるエンジニア、プロダクトマネージャーはおります。

そのような状況の中で一緒に品質文化をつくってくれる仲間を募集しています。道のりは平坦ではないでしょうが、得難い経験になるはずです。私も協力しますのでぜひ一緒にピクシブの品質文化を作って行きませんか?

recruit.jobcan.jp

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shimashima
2017年11月に中途入社した、ピクシブ随一のQA/テストエンジニアで"品質実質無料"の人。社内の品質向上に東奔西走する日々。 2012年よりJaSST(ソフトウェアテストシンポジウム) Tokyo実行委員。
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fono
2019年4月入社。pixiv事業本部ウェブエンジニアリングチーム所属。データ基盤の利活用、データ集計なども行う。趣味はバイクと自宅(実家)サーバー。
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fudafoota
2016年にピクシブ新卒入社。クリエイター支援サービスpixivFANBOXのリリース、改修でバックエンド、フロントエンド全般の設計開発を担当。趣味はアロマテラピーとコーヒー。スイーツとピアノを練習中。
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edvakf
2016年12月から2019年12月までCTOとして全社のシステム設計と組織設計をしていました。 #2012年入社 #福岡オフィス立ち上げ #物理専攻 #大学中退 #大学院中退 #pixivコミック #グロースチーム(既に無い) #JavaScript #Ruby #PHP #Go #Scala