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【後編】その研修は何のため?未経験者がゼロから作った新卒研修HowToを大公開

みなさん、こんにちは。ピクシブの人事部で採用担当をしているkamikoです。

先日ブログで全くの未経験から、新卒研修業務にチャレンジする際のHow To前編を公開しました。本日は後編を公開しますので、まだお読みになられていない方は、先に前編をご覧ください。

まず研修設計の大まかなプロセスとして、ADDIEモデルを参考にしましたが、後編は開発、実施、評価の3つについてお話します。

開発を行う

研修講義は前半と後半でパートをふたつに分けて、土日除く約10営業日で設計しました。

  • 前半パート:座学形式で世の中への理解(大局理解)→会社への理解(中局理解)→個人に求められる行動の理解(小局理解)の順番に講義を行う
  • 後半パート:前半パートで学んだ知識から課題を用意し、コミュニケーションを取りながら回答してもらう

前半パートでは、大局理解として会社や社会のルールについて学び、中局理解は業務・職種・事業部について学び、小局理解では個人のスキルを深める内容を用意します。

小局理解の資料以外は、現場の役員・社員に作成を依頼しました。具体的な研修内容の一例は、こちらのブログを参考にしてください。

後半パートでは、前半で学んだ研修内容を身につけて実践することを目的とし、講義の作成に取り掛かります。

研修は初日を除きリモートのため、個人で回答するテスト形式の研修にしました。研修の設計は、文章コミュニケーションにスポットライトを当てており、社内でどんな場面でスキルが必要になるか整理します。

毎年新卒の受け入れを行っているマネージャーにヒアリングすると、主に報連相や稟議・申請周り、会議が重要な場面だと分かりました。

研修テーマの「START DASH」すなわち配属後の早期の立ち上がりに繋がり、社員とストレスや誤解の少ないコミュニケーションが取れるようになることを考えて、課題を7つ用意しました。

課題の回答にあたり、新卒には用意したシチュエーションに合わせて、とある部署の社員を演じてもらいます。

つまずきポイントとして制限時間内で回答するには、やや多めの問題を用意しました。もし新卒が時間内に回答できないと判断した場合、優先順位を確認すれば、回答しなくて良い問題が含まれています。

つまずきポイントを入れた理由は、OJT配属後に大量のタスクを抱えた時、メンターに相談して、優先順位をつけ、どう進めるべきか確認して欲しいと考え、同じ状況を用意したかったからです。

課題の回答はNotionを利用しました。工夫したことは4つ。

  1. 課題の提出ページには新卒全員の閲覧権限をつけ、回答に必要なスライドと、前半パートの講義資料を、いつでも見れるよう置いておく
  2. 課題の提出ページ内にテーブルを作り、各新卒の専用ページを作成して、権限は個人のみに付与する。新卒は個人専用ページに飛ぶと、課題をどのように回答するかヒントが書かれているため、それに従い進める
  3. サービス開発の課題があるため、質問・回答は人事2名とプロダクトマネージャー1名が、テキストにて受け付ける
  4. 課題に正解した新卒が、個人専用ページ内のチェックボックスをクリックすると、全員が閲覧できるページに反映されるようにする。課題回答中、誰がどれだけ回答しているか俯瞰して見れるため、より自分ごととして、研修に参加できるしかけになる

課題作成後は、数名の社員にレビューを依頼し、フィードバックを得て、難易度調整や文言の変更を行い、準備は完了です。

実施する

研修期間中は概ねスケジュール通り、問題なく進行しました。

研修の途中でOJT配属先の発表を行い、メンターとの顔合わせの時間を取りました。研修終了後に、速やかに業務に移行させるためです。

また研修の最後に総振り返りの時間を取って、研修から得た教訓をスライドにまとめて発表してもらいました。教訓を次に生かすことで成長して欲しいという狙いがあります。

評価する

評価はOJT配属先のメンターと新卒が1on1を行い、新卒に出来ないと感じること、出来るけど苦手なこと、得意なことの3つをヒアリングし、その回答から研修目的が達成できたか測定します。

そして1on1の内容はOJT終了後、配属先のメンターとマネージャーに、申し送りするところまでをゴールと定めました。

現時点では新卒たちがまだOJT配属中なので、1on1は実施していません。

「配属後の早期立ち上がりとカルチャーに馴染むことで成長のきっかけをつくる」研修目的については、新卒の半数以上が、研修終了時には実感を持っていなかったため、1on1配属後どんな反応に変わっているか楽しみです。

研修を終えて

全体を通して、改善点がいくつか見つかったため、来年に活かします。

  • 前半講義の担当をした社員が、自身の講義が何の研修目的に沿ったものか、理解・実感が持てなかった
  • 後半講義の課題を解く時間が、想定以上に短かった
  • 研修の目的を達成できた実感を、新卒がまだ持てていない

研修目的を達成したか否かの評価は難しく、測定には時間もかかります。ですが、裏目的の「新卒同士が仲良くなり、助け合える環境を作る」ことは、達成出来ました。

新卒は研修中だけでなく、OJT配属後も業務やプライベートで、積極的にコミュニケーションを取っているようです。またその団結力を生かして、全社会議や社内ラジオなどイベント運営・MCを盛り上げています。

もちろん研修だけが理由ではありませんが、一助になったことは間違いありません。 今回得られた改善点を踏まえて、新卒の成長に寄与できるよう、自社にあった研修を設計していきます。

いかがでしたでしょうか? 本記事のHowToが研修業務に初めてチャレンジするどなたかの一助になれば幸いです。

ピクシブでは中途人事職の採用を積極的に行っています。 まずは採用業務からスタートして、研修はもちろん、さまざまな人事業務にチャレンジができる環境のため、興味をお持ちの方はエントリーお待ちしております。

https://recruit.jobcan.jp/pixiv/show/b001/342055recruit.jobcan.jp

それではみなさま、ごきげんよう。さようなら。

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kamiko
2016年1月にピクシブ株式会社に中途入社。人事部を経て現在は技術広報室でエンジニア職の技術ブランディングを担当しています。採用イベントや会社説明会によく現れます。