自己紹介
はじめまして。 PIXIV MEETUP 2023で、クリエイティブディレクターを担当したm0nesukeと申します。 この記事では、本カンファレンスのクリエイティブをどのような意図や意志で制作していったのか、デザインの背景をお伝えしたいと思います。
PIXIV MEETUP全体の様子はこちらの記事でご紹介していますので、あわせてご覧ください。 inside.pixiv.blog
クリエイティブディレクターの役割
私は、このカンファレンスにおける自身の役割は、「クリエイティブ全体に目的から一貫した方向性を作り出すこと」であると考えました。
PIXIV MEETUPは「参加者同士の交流を通じて会社・プロダクト・文化を知ってもらうこと」を目的として企画されています。技術や事業を一方通行にアナウンスするわかりやすいイベントとは少し異なり、若干のわかりづらさ・掴みどころの無さを抱えていました。 参加者が「結局何がしたいんだろう?」と疑問を感じないためのコミュニケーションが必要でした。
まず初めに、目的を言語化しカンファレンス全体のコンセプトを作ることに取り組みました。
言語化する
コンセプト開発は、この企画の最も重要な考えを言語化することから始めました。
ビジュアルとしてのデザインを作る前に、まずはそれで何を伝えたいかを明確にする必要があります。表層を「なんかいい感じ」に仕上げるだけでは企画の意図が伝わらず、クリエイティブの果たすべき役割を達成することができません。
全ての関係者に対し「PIXIV MEETUPはこういうカンファレンスです」と一言で説明できる言葉をコンセプトとして模索しました。
運営チームを中心とした皆様とブラッシュアップを重ね、最終的にピクシブの新ミッションとリンクする
「創作活動を、もっと楽しくする。その想いと技術がつながる場所。」
というコンセプトが完成しました。
視覚化する
次に、言語化したコンセプトからロゴとキービジュアルの制作を進めました。 キービジュアルは、コンセプトを素早く視覚的に伝えるためのフィルターでありクリエイティブの要です。 グラフィックから会場装飾まで、全てのデザインの基礎となります。
キービジュアルの開発にあたり、コンセプトを表すシンボルとして「海」を題材として設定しました。理由は以下の3点です。
①広大で絶えず変化し続ける物理的な性質
②人々が交流し文化を育んできた場所という社会的な性質
③ピクシブのコーポレートカラーであるブルーの要素
これらが今回のコンセプトを伝えるためのメタファーとしてと機能すると考えました。
2020年に開催された「PIXIV TECH FES.」のアートディレクションを手掛けたichinoheにコンセプトとこのモチーフに至った意図を伝え、ビジュアルとロゴの開発に取り掛かってもらいました。 以下が完成したロゴとキービジュアルになります。
幾何学的でテクノロジーを感じるロゴが「技術」を。 職種を表す文字列を波模様に見立てた背景グラフィックが「参加者の交流」と「海の世界観」を表現しています。 目的、コンセプトに一貫性のあるビジュアルとなりました。
具体化する
完成したキービジュアルをベースに、デザインチーム総がかりで各種クリエイティブへと展開していきました。 全ては掲載しきれないため、一部抜粋してご紹介させていただきます。
[会場]
メインステージとサブステージは海中をイメージしています。
[ピクシブ社員用Tシャツ]
ゲストが社員を見分けられるよう社員用Tシャツを制作しました。(ブラックは登壇者専用デザイン)
背中のグラフィックは、多様な職種の参加者が交流することで波が生まれる様を表現しています。
[発表スライドテンプレート]
登壇者スライドはある程度統一されたビジュアルになるようテンプレートを制作し共有しました。
[ノベルティ]
会場装飾と軽食を兼ねたオリジナルパッケージのスナック菓子。ドリンクカウンターに設置。
リングライト。薄暗い会場の中で来場者一人一人が世界観の一部になります。
配布物を収納しゲストが手を空けられるようにするためのサコッシュ。
ひとつひとつのクリエイティブの良し悪しではなく、どうすればMEETUP全体に一貫性を持たせることができるかを考えて制作していきました。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
クリエイティブ制作の背景と意図について、少しでもお伝えすることができたら幸いです。
また、今回PIXIV MEETUPに関わる機会をくださった運営チームのみなさま、 一緒に制作を走り切ってくれたクリエイティブチームのみなさま、 ご協力いただいた社内外のスタッフのみなさま、 ご来場いただいたゲストのみなさま、 本当にありがとうございました。
この場を借りてお礼申し上げます。