小芝敏明がピクシブの"開発本部長(VP of Engineering)"に就任。小芝敏明とはどんな人物なのか?これからピクシブをどのように変えるのか?その想いを聞いてみましょう。
この2年間、"開発文化を創る"というチャレンジをしてきた
"古き良き時代から来ました。真面目なSE、真面目にSE" @bash0C7こと小芝です。どうぞ、よろしくお願いします。
── 小芝さん、メディアでもブログでも、毎回その挨拶ですね。どういう由来が!?
自分の職業を一言で表現するなら「システムエンジニア」という言い方がフィットすると考えてます。広義のシステムを扱う仕事が自分の天職と思っていて、そのように名乗りも使っています。言い回しはソロアイドルの寺嶋由芙さんインスパイアです。
── 仕事の活動だと、今のピクシブの広告配信プラットフォームを手掛けたり、RubyKaigiの運営に関わるなど、最前線のエンジニアというイメージが強いのですが
はい、大学を卒業してからずっと、エンジニア一筋で仕事をしてきました。
業界への関わりは、新卒で入ったSIerがはじまりでして、当時は金融業勘定系システムを中心に基幹業務システム開発に関わっていました。その後、ネット系業界に転職。インターネットポイント、価格比較サービス、広告配信などのB2C事業に携わっていましたね。
ここ数年は、採用や、育成。組織づくりにも深くコミットしています。
── 以前も、ピクシブに所属して組織の運営に関わっていたんですよね
RubyKaigi運営での縁があり、2013年11月にピクシブへ転職しました。前職のノウハウを活かして広告配信プラットフォームの開発と運用を行っていました。入社から数ヶ月でマネージャーとして抜擢され、エンジニア組織の運営にも関わってきました。
エンジニアの評価制度を整えたり、コミュニケーション方法を改善するためにチャットツールを変えたり、エンジニア交換留学を企画したり。一番知られているところだと、ポエム駆動開発の社内展開というのがありまして、ピクシブの現場の人間の想いを発信する場を、esa.ioというドキュメント共有サービスを導入することで実現していました。
── ピクシブを離れてからは、どんな活動を?
ピクシブから転籍した後の2年弱は、CTOというジョブタイトルで、技術の責任者としてエンジニア組織を一から立ち上げて軌道にのせる活動をしてきました。
この活動を「開発文化を創る」と表現してきました。広報や採用活動から始まって、チーム開発の基盤を整え、エンジニアの業務をまとめ、評価育成の段取りを整えてたり。
素晴らしい仲間に恵まれました。
内製開発が根付き、外部イベントで登壇するメンバーも増え、今ではどこに出しても恥ずかしくない開発組織になりました。そして様々なご縁が重なり、新体制になったピクシブで新しいミッションにつくことになりました。
ピクシブの開発メンバーはパワフル!
── そういえば、ピクシブを離れたあとも、うちのアイドル事業に注目していたようですがどういうところが気になってましたか?
なにせ素晴らしい楽曲揃いで、新曲が出るたびに聴き込んでました。各種メディアやTwitterなどでの情報発信を追いかけて、雑誌表紙争いの投票イベントも出来る限り投じるようにしていました。
その分野にかぎらず、仕事で関係した分野はユーザとして追いかけるようにしてます。ユーザの気持ちを知るには同じ体験をするのが一番の近道だと思ってまして、そうやって自分に知識と経験を取り込むように心がけてきました。
最近の事業では、テレビ東京でのダイニノアレを熱心に追いかけており、中でもダイニノ人気キャラクターのカプチーニャンをとくに応援しています。
── がっつりピクシブの事業をキャッチしてたんですね!開発組織の方はどうです?外からみたピクシブって、どうみえました?
先に述べたように、わたしはこれまでエンジニア組織を立ち上げる活動をしてきました。その立場からみて、あたらめてピクシブのメンバーのパワフルさは凄いと感じました。
例えば、自分たちの携わってるサービスへの想い、ノウハウや知見を発信していく文化、一日の仕事が終わったあとも仲間たちと語り合ってる様子など、本当に素晴らしいなと思っています。
また、ピクシブに所属していた頃から、現場に与える裁量の大きさには注目していました。自分の力量次第で様々ことを変えていける自由さが素晴らしい。また、そういう変化を存分に楽しめるだけの、面白い人達、腕のいい人達が集まっていた点も流石だなと思っていました。
ピクシブを離れ、別の組織のCTOになるときのわたしのミッションも、先に「開発文化を創る」と述べましたが、まさにそのようなエンジニア組織を作ることでした。ただ、それを築くことはそんなに簡単じゃない。これは一朝一夕には実現できないと思い、かなり覚悟したのを覚えています。
結果としては素晴らしいメンバーに恵まれ、豊かな「開発文化」を育むことに繋げられたと思います。
その経験をベースにこれからピクシブで開発組織を強化していきます。ピクシブの開発組織は、エンジニア職だけの留まらず様々な専門性を持ったメンバーで構成されています。多職種が集まるメリットを活かして総合力をいかに高めていくかがこれからのチャレンジです。
プロフェッショナルとして成長していくことにコミットする
── いま流行りの「VP of Engineering」に就任されたわけですが、これからどのように組織に関わりたいって想いはありますか?
大きくは3つあります。
1つ目。先日代表取締役をはじめ経営体制が大きく変わりましたが、新経営陣の理想をきっちり実現していくことです。
わたしの立ち位置的に、先の12月に着任したCTOの高山と、CCOの川田と密に仕事をしているのですが、彼らは凄いビジョナリーで、夢と未来を語る力がとても強いです。そんな彼らが描いた理想像を現実のものとして回るように、繰り返し誠意を尽くしてメンバーたちに伝え、シンプルでわかりやすい仕組みを設計して、会社のアクティビティとして駆動していくよう努めていきます。
2つ目は、CTOの高山を社内の全エンジニアのヒーローとして輝かせることです。
CTOという役割は各社様々ですが、自分としては今後も高山には凄腕エンジニアとしてひたすらその力を発揮してほしいと思っています。高山は、直接現場の技術選定に関わるなど、社内全てのエンジニアをリードする立場にあるんです。そこで、わたしは開発組織のマネジメントは完全に巻取って、できるだけ彼をその分野で煩わせないようにしたいです。
── 現場の開発メンバーに対しては、どのように関わりたいですか
それが3つ目。 わたしは、今まで以上に、一緒に働く仲間たちが、成長の実感を持てるような組織を作っていこうと考えています。
ピクシブは、ユーザやクライアントのことを常に考えて、チーム一丸となって取り組みを重ねてこその今があります。今後もサービス成長とともに頼もしい仲間たちが増えていくなかで、メンバー一人一人、今まで以上に真摯に向き合って、皆がプロフェッショナルとして成長していく。そのことに、わたしはコミットしていきたいです。
そのために、対話を繰り返してメンバー間の相互理解を深めていく。チャレンジしがいのある目標を設定していく。逆境をチームで乗り越える経験を通じて飛び抜けた成長を感じられるよう、さまざまな工夫を凝らしていく。プロダクトを軸にチャレンジにチャレンジを重ねてメキメキ経験を積んでいける仕組みをデザインしていきます。
ぜひ、ピクシブの開発メンバーに会ってほしい!
最近、ピクシブでは、pixiv Night!というイベントをシリーズ化しています。そこで今語ったような開発メンバーのパワフルさを知ることができます。ぜひ、お越しください!
わたしや仲間たちと直接話をして、みなさんにも、我々のことを知ってほしいです!
── 小芝さん、ありがとうございました!