カルチャー

ピクシブエンジニアの働き方が伝わる技術カンファレンス #pixivTECHSALON の全貌

furoshiki furoshiki
2019.3.22
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ピクシブ主催の技術カンファレンス「pixiv TECH SALON」が、2019年3月5日(木)に渋谷の東京カルチャーカルチャーにて開催されました。この記事では、本イベントの全貌を紹介するとともに、技術や社外コミュニティに対して、ピクシブがどのような目的を持ち向き合っているのかお話します。

pixiv TECH SALONというイベント。完全招待制で社員の紹介が無いと入れなかったり、ゲストと社員がコミュニケーションするための仕掛けがあるなど、世の中的にみてまだまだ少数派なやりかたが採用されています。

ただ、一番強く押し出されてみえたのは、「会社のエンジニアたちの文化が伝わる」「働いてる人間の姿がみえる」という点ではないでしょうか。コンテンツをひとつずつ取り上げてみてみましょう。

技術選択の多様性が捉えられる「LT大会」

まず、本イベントの最初のコンテンツである「LT大会」。ホール内の2箇所にディスプレイが置かれ、良くも悪くも雑に観て許される空気感でゲストが参加しています。

ピクシブは「技術選択はあくまで現場のアイデアを尊重する」という文化を大切にしています。会社として標準プラットフォームのようなものは強制せず、技術選択に自由を求めています。

この狙いは、世の中の技術変化に負けない「多様性の獲得」です。

過渡期の技術分野では特定のフレームワーク・ライブラリが一瞬にして廃れるわけですが、社内のどこかには必ず代替技術を扱っているエンジニアがいます。期間限定モノの企画ではかなりエッジな技術を率先して採用し、安定時期を待たずにノウハウを得ておこうというムードがあります。

こうした企業文化的な背景もあり、各エンジニアは自身のプロダクトの技術選択に対して、強い想いを持つ傾向にあります。LTのような情報共有の場においても、技術選択は合理的な理由のみならず「私自身がこの技術が好きなんだ」という強烈な熱量とともに発信されます。

ピクシブでは毎週金曜日に社内勉強会が開催されています。それは出席が強制されるわけでもなく、誰かの「好き」を追い求め、共感を楽しみ、技術という魅力に惹かれて自主的に参加しています。

本イベントのLT大会は、それをそのまま再現させたものです。フロントエンド技術の話もあれば、コンパイラ開発の低レイヤーな話、自身の声を美少女に変える魔法みたいな技術の話など、自身の「好き」がベースとなり多様なテーマが発表されました。

なお、LTもメインセッションもすべての発表資料が公開されていますので、ぜひお楽しみください!

10年後のピクシブがみえる「メインセッション」

LT大会が終わると、「メインセッション」に突入します。若手から中堅、CTOに至るまで幅広いエンジニアが登壇し自身の活動について語っています。

テーマは「ピクシブこれからの10年」です。

イラストコミュニケーションサービス「pixiv」は誕生してまもなく12年になります。節目の年とも言える今、「さらに10年後のピクシブがどうあるべきか」という議論が起きています。10年先もまた、創作活動を支える存在であり続けるために、エンジニア組織が一体となり大きな変化を引き起こすチャレンジをしています。

「テックリード体制」が作られ、10年後を見据えて全サービスを横断したアーキテクチャの在り方について議論されています。「エンジニアギルド」が結成され、エンジニア個人の能力の10年後に目を向けた人材開発支援が進められています。

また「データ駆動推進室」の結成、「品質・セキュリティ・効率 “実質” 無料」といった取り組みを行うなど、全サービス横断型の支援チームを結成することで、10年後を見据えた開発現場の進化を促進しています。

気になる方は、CTOの基調講演全文もご覧ください!

遊びを真剣に楽しむ「アフターパーティ」

最後のコンテンツは「アフターパーティ」です。本イベントのハッシュタグ「#pixivTECHSALON」で流れてくるツイートが、サブカルファン向けのライブイベントにしかみえない理由がここにあります。

アフターパーティの狙いは「就業時間後の再現」です。

ピクシブオフィスでは就業時間後になると、プロジェクターを使ってゲーム大会をはじめたり、みんなで一緒に好きな映像作品を観たり、お菓子や鍋料理を作って食べたり、麻雀をはじめたりと、様々な遊びが社員の自主性によってゲリラ的に発生しています。社内イベントでも、毎度お馴染みの名物DJが会場にグルーヴを作り出しています。

ピクシブのビジョンには「遊びで創る毎日を」という言葉があり、遊びという活動に対しては特別な意識を持っています。社内では普段から、日常的に「遊びに巻き込むこと」が頻繁に起こっており、そのことがピクシブらしさとして語られています。

社内の空気を形成する「遊びの文化」を、アフターパーティのコンテンツとして取り上げたところ、Twitterでは多くの反響をいただきトレンド1位に浮上しました。

企業として技術イベントと向き合う理由

ピクシブには「技術コミュニティ推進委員会」という組織横断型のチームがあります。

同委員会を中心として、社内外問わず技術イベントの活動を推進したり、OSSへのコミットを勧める取り組みが企画されています。技術カンファレンスへの参加は業務の一環として行い、より高い成果が得られるよう活動を支援しています。このような取り組みを進める背景には、ピクシブの事業が「技術コミュニティによって支えられている」という意識があるからです。

リポジトリ・ドキュメント・技術イベントなど、ソフトウェアに関わる「オープンな資産」は、無料と捉えて一方的に利用するのではなく、何かしらの形で貢献し支える必要があります。

企業は、オープンな資産・技術コミュニティとの関わりを積極的に深めることで、世の中の開発モメンタムを上手く事業へ取り込むことができます。自ら開発モメンタムを生み出す側になることで、事業を価値ある方向へ導くことができます。また仮に、事業と世の中の開発モメンタムとの共存が困難であったとしても、事業継続に求められる技術を自社で内製できる能力を獲得できます。ピクシブにおいても、イラスト画像配信の技術は内製力によって培われてきました

これらの事業運営リスク低減のメリットは、オープンソースソフトウェアという概念が誕生して以来、古くから多くの人々によって語られてきたことです。

一方で近年は、エンジニアを採用市場から調達するための広報戦略して技術コミュニティを活用することが多く、またそれにつながるEmployee Experienceのための戦略として活用する流れも強まっています。企業がこのようなメリットを理解し、技術コミュニティのために勉強会の会場を貸し出すことは、もはや当たり前の時代となりました。

ピクシブもまた、PHP / Ruby / Web / iOS / Android / データエンジニアリング / 3DCG など、事業を支えるさまざまな技術コミュニティに対して、記事寄稿やイベント支援、ソースコードへのコントリビュートといった様々な形で支援したいと考えています。このような技術コミュニティとの付き合い方という文脈の中で、今回開催した技術カンファレンス「pixiv TECH SALON」は企画されています。

技術への貢献活動に関わったエンジニアは、成長のチャンスを掴んだり、技術選択で大きくチャレンジする支えを得たり、事業のリスク低減に成功するなど、多くの成功体験を得て次のステージへと導かれます。今後も自社イベントを通じて、エンジニアの活動を発信していく予定です。

ピクシブは、企業と技術コミュニティが相互にポジティブな結果を作り出せる関係性を、今後も模索していきたいと考えています。

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