ピクシブは様々な自社プロダクトを開発・運用していますが、プロダクトを成功へ導く存在として欠かせない存在が、プロダクトマネージャー職(以下PdM職)です。
さまざまなスキル、ツール、チームを駆使し、プロダクト開発を推進するPdM職は、一見ハードルが高く見えますし、仮に興味があったとしても自分の経験をどう活かせるのかイメージが付かない方も多いのではないでしょうか。
ピクシブでは、IT業界未経験・PdM職未経験の社員が入社し、同じPdM職のサポートを受けながら活躍しています。本日はピクシブにおけるPdM職について説明させていただき、社員インタビューを交えながら、社内で受けられるサポートや業務内容についてご紹介させていただきます。
PdM職とは?
一般的にPdM職とは、チームと会社が正しいプロダクトをユーザーに届けるために、さまざまなスキル、ツール、チームを駆使し、プロダクト開発を推進します。ここで言う「プロダクト」とは、ユーザーに提供する製品のことで、ピクシブにおいては主に提供するウェブサービスのことを指します。
(pixiv、ピクシブ百科事典、pixivコミック、BOOTH、pixivFACTORY、pixivFANBOX、pixiv Sketch、VRoid など)
プロダクトを取り巻く領域として「開発者」「ユーザー」「ビジネス」の3つが存在し、それらの領域の橋渡しを行うことで、プロダクト開発は前進します。
ピクシブの組織を当てはめると、以下の形で定義できます。
- 開発者:プロダクト開発チーム
- ユーザー:プロダクトを使う人
- ビジネス:事業部長、マーケティングやアライアンスなどの部門に所属するメンバー
多くのPdMはプロダクト開発チームに所属し、ユーザー領域やビジネス領域との橋渡しを行います。シンプルに言えば、ユーザー価値を最大化させるための開発を行いつつ、プロダクトを利益に転換させるにはどうしたらよいか。時にそれぞれの立場から矛盾するインプットが集まることもあります。そのような異なる領域同士の衝突に対してもPdMが調整を行います。
例えば、ユーザーが満足する体験を設計しようとする一方で、ユーザーの注意を広告に寄せることも求められる、といった事例がわかりやすいでしょう。そのジレンマに対してPdMはよりよい解決策を検討し、プロダクト開発を前進させる役割を担います。
そう聞くと「エンジニア出身でないとなれない職種なのかな」「ビジネス領域に詳しくないから向いていないかも」と尻込みしてしまうかもしれません。
しかし、最初からすべての領域に精通していなくてもよいのです。各領域を必要なメンバーに担当してもらうこともPdMの職務の一部ですし、またPdMとして自分で実際にプロジェクトを進行していく中で、各領域への理解を深めていくことができます。
またPdMとして誰かに相談したい場合、ピクシブ内には、その成長や問題解決をサポートする横断的な組織も存在します。
PdM職社員へのインタビュー
続いてPdM職未経験でピクシブ入社したponz(ぽんず)さんに、インタビューさせていただきます。
自己紹介
2022年5月に、PdM職として中途入社したponz(ぽんず)です。画像一枚から誰でも簡単にオリジナルグッズを制作できるサービスpixivFACTORYチームに所属しています。
前職では、アニメやゲーム、漫画等のキャラクターグッズの企画・製造・販売およびイベント企画等を行う会社で、営業企画職として商品化・イベントの企画立案、ライセンス許諾獲得営業、制作進行等を担当していました。
入社のきっかけ
興味を持ったのは、クリエイターによる創作の総合マーケットBOOTHやpixivFACTORYといった、個人が気軽に使えるサービスを展開している点でした。
前職時代、商品化したい作品があると相談を受けても、採算の兼ね合いで商品化が難しいことがありました。「グッズになるのが目標でした!」とIP権利者や作品原作者の方にとても喜んでいただけたこともありました。それらの経験から、グッズ化すること・それを販売することのニーズがありながらそれを実現するハードルもあることを痛感し、企業だけでなく個人でも簡単にグッズがつくれたり、オンラインショップを持てるのは素敵だと思うようになりました。
あとは選考が魅力的だったことも、入社理由のひとつです。面接では事前提出を求められた「あなたを表す101キーワード」に関する質問も多く、自分の経験・志向や好きなことに関心を持って話を聞いていただけたことで、自分の好きなものに対して、否定されることなく憚らずに好きと言える会社の文化・空気感を感じました。
「選考に関係するのか?」と思いながら、自分の推し鍾乳洞について話したのは未だに印象に残っています(笑)
普段とりくんでいる業務
現在pixivFACTORYチームでは、プロダクトに対して「何をつくるか」という観点と、「どう伝えるか」という観点で業務を進める二チームがあり、私は前者に所属しています。
主な業務は下記の通りです。
- 新アイテムの検討・導入
- パートナー工場や社内との調整・プロジェクトの進行
- プロダクトの新機能や機能改善の検討
- 見込まれる収益の試算
業務に取り組む上で、どのような助けがあったか
着任にあたり、部内で丁寧なオンボーディングがありました。プロダクトの理解を深めたり、部のメンバーがどんな業務を行っているか聞いたり、進行中の案件についても説明がありました。忙しい中メンバーが時間を割いて説明してくれたので、とても助かりました。
マネージャーには、1on1の時間を定期的に設けてもらい、チームや業務についてご相談できています。
部外だと、PdMの成長支援のために存在する組織「PMギルド」に所属して、他部署のPdMと話をする時間を定期的に設けることができました。自部署で抱えている課題と似た課題に取り組んでいるPdMからアドバイスをいただいたり、取り組みについて聞くことができるので勉強になります。
前職の経験は、現在の業務にどう生きているか
前職ではpixivFACTORYで取り扱っているアイテムと同種のものを用いた商品化に関わっていました。ですからアイテムの検討・導入時に惹きの強さや、留意点に気付きやすいです。それ以外だと「印刷範囲」や「塗り足し」等、グッズ制作時に使われる用語や表記を知っていたのは大きかったです。
他にも細かい点が沢山あります。一例としては次の通りです。
・制作進行の経験があり、ざっくり案件進行のイメージができる
・収支シミュレーションに携わった経験があり、ビジネスケース検討のとっかかりが掴める
・権利関係の契約書の修正経験があり、抵抗感なくレビューができる
・取引先含め、職種や企業文化の異なる方々と業務をしたことがあり、多様なコンテキストを扱える
当時は目を回したり頭を抱えたりしていましたが、何事も経験値になるんだなと思います。
業務を続ける上でのモチベーション
私は「モチベーションに左右されず、安定して成果を出し続けたい」という志向を持っています。それでもSNS等で「pixivFACTORYを使って簡単にグッズをつくれた!」「自分のグッズが形になって届いて嬉しい」といった声を見ると、もっと色々な人に喜んで貰えるように頑張りたいと思います。
また、PdMが担うことの1つでもあるプロダクトを取り巻く領域同士の調整を行うことは、それぞれが違う立場・要望をもつが故に難航することも少なくありません。
関係各所と相談・調整をしながら、それぞれに納得していただける進行ができるとほっとしますし、次もいい感じにしていけるといいなと思えます。
今後チャレンジしていきたいこと
まずは、現在進行中のプロジェクトを無事にリリースさせたいです。これまでのメインターゲットとは異なる層へのアプローチを試みるプロジェクトなので、運用の中で仮説検証・改善をしながら、pixivFACTORYの可能性の幅を模索したり広げたりしていきたいと考えています。
あとはプロダクトの目指す方向に沿った取り組みを検討・実行したいです。先日、「将来プロダクトがどうなっているといいか・どうなっていきたいか」を自部署で議論しました。まだ落とし込み途中ですが、落とし込んだものを踏まえつつ、私がこれまでなかなかできていない、もう少し長期的な視点を持ったうえでの自発的な検討ができるように成長していきたいと思っています。
グッズをつくるのは難しいと感じる方もいると思いますが、多くの方に「こんなに簡単なんだ」と伝わり、個人・法人問わず、誰でも気軽にグッズづくりを楽しめる世界が広がって欲しいです。pixivFACTORYがその一助になれたら嬉しいですし、一助になれるように取り組んでいけたらと考えています。
未経験でPdM職にジョブチェンジ希望の方へ応援コメント
「PdM経験がないから難しいかな…」「PdMに興味はあるけど大変そう、自信ないな…」など不安や心配があるかもしれません。私もPdM未経験で全く自信もありませんでしたが、色々な方に助けていただきながら、現在業務に取り組んでいます。
ピクシブには様々なプロダクトがあり、それぞれのチームでカラーも異なっています。PdMが持つバックグラウンドも、仕事の取り組み方や進め方も様々です。自分なりに目指したいPdM像を描きながら、経験したことのない業務にも前向きに挑戦できるなら、ピクシブでは周囲の協力を得ながら、働きつつPdM経験値を上げていけます。
興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
最後に
いかがでしょうか。ピクシブではPdM未経験ながら、同じPdM職やチームのサポートを受けつつ活躍している社員が他にも沢山在籍しております。
本日の記事をお読みいただき、ピクシブのPdM職にご興味をお持ちの方は、下記URLよりエントリーをお待ちしております。