こんにちは!
pixivコミックインディーズ・プロダクトマネージャー(以下「インディーズ」「PdM」と表記)のazumaです。
今回は、チームで「インディーズを触ってワイワイする会」という会議体を開催した経緯と、それによる効果についてご紹介します。
- リモートワークでメンバー間の交流が薄い……
- ビジネスチームと開発チームで文化が分断されている……
- メンバーが自プロダクトを普段触っておらず、理解度が低い……
といった課題を感じている方には特に刺さる内容となっておりますので、ぜひお読みいただければ幸いです!
当時のチームの課題
当時のインディーズチームでは、以下のような課題感を抱えていました。
① メンバー同士の交流が薄い
インディーズチームはフルリモート、かつ様々な国籍のメンバーがいるチームのため、メンバー同士の交流が薄くなり、一緒に働いている人がどんな人か不透明でした。
特にビジネスチームと開発チームは関わることが少なく、名前くらいしかメンバーに関する情報を知らないということもしばしばありました。
② メンバーの自プロダクトへの理解が薄い
チームが運営しているプロダクト、pixivコミックインディーズは、マンガ家デビューを目指すクリエイターとマンガ編集者がつながるサービスです。

その性質上使うユーザーが限られており、チームメンバーでも自分達が開発しているプロダクトを普段は触る機会がありません。
この記事を読んでいる方も、「pixivは知っているけど、pixivコミックインディーズは知らなかった」という方が多いのではないでしょうか?
自分達でプロダクトを触っていないため、メンバーによっては仕様理解度が低かったり、どんな作品が投稿されているのかをあまり知らなかったりという状況が発生していました。
一般に、BtoBプロダクトや専門性の高いプロダクトを扱う企業では、実際に自社のプロダクトや競合サービスを社員が触る機会が限られていることが多いと思います。
このような課題を解決するため、
① 交流MTG
② 自プロダクトを実際に使っての理解深化(いわゆるドッグフーディング)
の目的をもって企画したのが「インディーズを触ってワイワイする会」です。
「インディーズを触ってワイワイする会」とは
この会議体をどのように開催したのかご紹介します。以下「触る会」と表記します。
「触る会」は、文字通りチームメンバーが一緒にインディーズを実際に触りながら対話する会です。
月に1回、60分の枠で開催し、以下のように実施しました。
① お題を渡す(5~10分)
闇雲にプロダクトを触るというのも難しいので、例えば以下のようなお題を事前に決めておきます。
お題は事前に私が勝手に決めていました。
異能力系パルクールマンガ、どうでしょう。面白そうじゃないですか?笑
他に、恋愛系の少女マンガや、異世界マンガ等、様々なジャンルのマンガをお題にしたことがあります。
② お題に沿って作家さんを探す(30分)
ここからは実際にインディーズを使って、お題に合致するクリエイターさんを探す時間です。
探す間も黙って探すのではなく、
- 良い!と思った作家さんがいたらそれを共有したり
- 最近読んだ好きなマンガについて語り合ったり
- プロダクトの軽微なバグや、気づいた点を発見したらそれをシェアしたり
色々と雑談しながら探していました。
全員がマンガが好きなメンバーだったので、雑談が盛り上がることも多かったです。
③ 見つけた作家さんを発表する(20分)
最後に、自分が見つけてきた作家さんを理由付きで発表します。
「異能力系パルクールマンガ」であれば、
- アクションシーンが描けること
- かっこいい主人公がデザインできること
- 異能力のエフェクト(炎や氷など)が描けること
など、どうしてその作家さんが良いと思ったのか?も話すようにしてもらいました。
④ 改善案はバックログに起票しておく
実際にプロダクトを触る中で色々な改善案が出るので、それらはメモしておき後でバックログに起票しておきます。
録音しておくのも良いと思います。
実施効果
「プロダクトを触る会」を継続的に実施したことで、以下のような効果を得ることができました。
① マンガの話からメンバーの交流を深める
単に交流の機会ができたというだけではなく、その質が高かったということが重要だと思っています。
「雑談会」や「ウィンセッション」などの形で、メンバーの交流の場を設けている企業・部署は多いと思います。
しかしありがちなのが、雑談せよとだけ言われても特に話題がなかったり、無理やり話題を作って話すも表面的なやりとりに終始したりして、惰性化したり、会議体に苦手意識を持つメンバーが出始めるという課題です。
その点、「触る会」では「自プロダクト」「マンガ」という全員に必ず共通する話題が与えられ、作家さんを探すという目的もあったので、こういう空気になることが避けられたと思っています。
② 良質なドッグフーディングの機会になる
普段触る機会が少ないプロダクトのドッグフーディングも、多くの企業で行われていると思います。
「触る会」ではあらかじめ具体的なお題を与えていたことで、なんとなく触るだけよりも深い理解を得たり、実際に編集者になりきってタスクをこなすことで、利用者目線での体験ができていたように思います。
また、いろんな投稿作マンガを読んで、作家さんを探すという作業は単純に楽しいです。
BtoBの業務管理系プロダクトなどの場合は、なかなか楽しいという感覚にはなりにくいかなと思うので、そこは幸運な点でした。
また、自プロダクトの理解が全員ある程度深まったタイミングで、「競合を触る会」にシフトし、対外的な調査も兼ねるようになりました。
参加者の声
実際に参加してくれたメンバーに、この会議体への意見を聞きましたのでご紹介します。

共通の話題であるプロダクトを触ることによって、話題に困らない場になっていた。ただ触るというだけでなく、明確なテーマがあり、それによって個人の趣向やセンスなどにも話題が及ぶ仕組みになっていたので話が広がりやすかった。
普段業務で関わらない人とも、リラックスした雰囲気(仕事仕事していない、おしゃべりしている感じ)で話せていたので。※これはファシリテーターにかなり左右されそう!
一緒にプロダクトを触ることができて、チーム意識が高まったと思います。
開発であまり触る事のない所などの理解が深まったと思った。
時間がないと触る機会がないプロダクトのため(プライベートでは触らないプロダクト)、複数人で話ながら触る機会を強制的に設けられるのはありがたかった。
多くの会社が導入しているコミュニケーションの機会設定とドッグフーディングを兼ねた試みとして、低コストで導入できるとてもよい仕組みだと思いました(特にコミュニケーションの機会設定については、プライベート的な話題の開示の感覚などは人によって違ったりして、雑談会的なイベントはコスト高めに感じている人もいる認識)。 もちろん開発サービスがエンタメのドメインに寄ったものだったことによる親しみやすさもあったと思うのであらゆるチームにスケールする保証があるわけではないですが、自サービスの理解を深める機会にもなる仕組みとして、他チームも気軽に導入してみてもいいのではないかと感じました。
このように、メンバーからも好評だったようです。
まとめ
「触る会」は、社内コミュニケーションの活性化とプロダクト理解の深化という二つの課題を同時に解決できる効果的な取り組みでした。
私個人としては、要件や仕様定義といった作業は得意なものの、こういったチームビルディングの面での経験はまだ浅かったので、貴重な成功体験を積むことができました。
今後も、形を変化させながら続けていきたいと考えています。
協力的に時間を貸してくれたチームメンバーには感謝しています!
この記事があなたのチームの課題解決のヒントになれば幸いです。
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