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ピクシブはなぜ、福岡に拠点を作ったのか?

2016年11月、14年半務めた株式会社電通を退職し、ピクシブ株式会社の執行役員に就任した東根哲章。pixivコミックやピクシブ文芸といったプロダクト作りに関わりつつ、ピクシブ創業以来初である、第二の拠点の立ち上げを進めています。

そんな彼に、ピクシブはなぜ福岡に拠点を作ったのか、これから福岡で何をしようとしているのか、その狙いを聞いてみました。

福岡は第二の拠点に最もふさわしい街

── ピクシブが福岡に拠点を作ったわけですけど、この話って、今に始まったことではなかったですよね。私が知る限り、3〜4年前には既にそういう想いが強かったように思えますが?

来るべきタイミングがやってきた、というところですかね。

── タイミングですか!?

ピクシブは創業からこの10年間、クリエイターファーストを企業理念として掲げ、色んなプロダクトを作ってきました。

その中で、プロダクトの作り方とか、グロースさせる方法とか、クリエイター界隈のコンテキストとか、ピクシブならではのノウハウを得てきたと思います。

社員の数も増えており、4月に新入社員が17名入社し、総勢150名近くになります。東京オフィスで組織や文化が構築されていく中で、新しい開発拠点を構えたいという想いが以前からありました。

今回たまたま、前代表の片桐さんと僕の共通の知り合いであるZero-Tenの榎本二郎代表から、福岡にオープンするワークスペース&コミュニティ「The Company」にピクシブに入居してほしいという、ありがたいオファーをいただきまして。すぐに快諾したのがきっかけなんです。

── 福岡オフィスは20坪以上のスペースのようですが、このサイズだと通常のオフィステナントに入居できるサイズですよね。なぜシェアオフィスなのですか?

ピクシブは以前より、東京以外に拠点を構えるならシェアオフィスに入居したいと考えていたんです。

福岡という初めての場所で事業を起こしていくにあたって、ピクシブが一社でどこかにオフィスを持つよりも、コミュニティがあるシェアオフィスに入ったほうがメリットがある。

そのほうが、色々と情報も得られるし、仕掛けもできる。事業を進めていく上での選択肢も広がるし、面白いことができると思うんですね。

The Companyでは、集まった会社同士が融合して仕事を生み出したり、シェアオフィス自体が大きなプロジェクトを引き受けたり、そういう活動をしていきたいという考えがあったんです。福岡ではゼロの状態である僕らは、そこに強く共感したんです。

実際に既にThe Companyの方から福岡の企業や人を紹介してもらっていて、The Companyにいる意味があると思ってます。

── そもそも、なぜ福岡なんですか?

ピクシブにとって、福岡は第二の拠点に最もふさわしい街です。

ピクシブのプロダクトを作っていく上で、福岡はとてもいい環境を持っているんですよ。福岡市の経済は成長していますし、人材も近隣の九州各地から集まってきます。

その中には、若い人もたくさんいます。東京などから戻ってくるUターン組もいます。

物価が安いし、食事が美味しいし、街もコンパクトでバスも便利だし、衣食住が充実しています。衣食住が充実していれば気持ちよく過ごしやすい。

働く上でも生きていく上でもストレスが少なくなるというのは、凄くいいことですよね。

── ピクシブって、人が働く環境を大切にしてきましたからね。

ピクシブは、働く環境に対するこだわりが強くて、それが働く人やプロダクトにとって、いい影響を与えていると思っています。最近、働く環境をテーマにしたテレビ番組にも取り上げていただきました。

ピクシブらしい点として、例えばビタミンカラーはストレスを軽減する色合いだと聞いて、オフィスのテーマカラーに採用しています。

また、会社から1.2キロ以内に住むと月5万円の家賃補助が支給される制度を作って、朝の通勤ラッシュからの解放を推奨しています。(※ 福岡は家賃相場を鑑みて、月3万円の補助を予定。)

他にもフリードリンク制度を設けて好きな時にソフトドリンクやエスプレッソを飲めるようにしています。そうやって、オフィスで快適に過ごせるよう努めてきてるんですよ。

あと、ピクシブが千駄ヶ谷という場所に居続けていること自体も…

── わかります!これぐらいの規模のネット系企業って、それこそ渋谷とか六本木みたいな人が集まる主要駅にオフィスを移しますよね。

そうですよね。なぜ、ここまで働く環境にこだわるのかというと、ピクシブはなによりも働く人を大切にしているんです。

人を大切にするからこそ、良いプロダクトが生まれると考えています。それが結果的に、ピクシブが追い求めているクリエイターへの価値に繋がって、ピクシブって素敵なだよねって思ってもらえる。それでまた良い人がもっと集まるから、さらに良いサービスが生まれると考えているんです。

── なるほど!働く人にこだわった結果、次は福岡だったということですね。

福岡なら魅力的な人たちと働ける

── ところで、福岡は人材も魅力的だと感じているんですよね?

はい。福岡には魅力的な人材が集まっています。

例えばエンジニアであれば、九州大学をはじめとしてさまざまな大学があります。エンジニア以外に目を向けても、APU(立命館アジア太平洋大学)のようなグローバルを意識した大学があります。

そういった大学との連動も、福岡に拠点を作ればやっていけますよね。

── ここ数年の話なんですが。私の知り合いで、東京の優秀なエンジニアが何人か地方で起業したんですけど、全員が拠点に福岡を選んでいたんですよ。

へえ!それはすごいですね。福岡には人を惹きつける力があると思います。

福岡は一度東京に出た人が戻ってくる街で、それだけ魅力的な街ということですよね。魅力的な人に出会うチャンスも多いはず。

新卒採用だけじゃなく、中途採用でもいい仲間にたくさん出会えると楽しみにしています。もちろん採用だけじゃなくて、他の企業の方々と一緒にやっていきたいです。

Uターンしている人に、色々と話を聞かせていただいたんですけど、「福岡だから戻ってきた」という方がやはり多かったんです。

── 福岡市が、そういうUターンの受け入れにかなり力を入れていますよね。

福岡市が主催している「福岡クリエイティブキャンプ(FCC)」のことですよね。Uターンの受け入れもそうですが、福岡市の姿勢や熱意も素晴らしいと思っていまして…。

今回まで知らなかったのですが、福岡市役所は民間企業から毎年何人も中途採用しているんです。企業の課題・事情を汲み取って、丁寧に相談に乗ってくださるんです。

そこまで自治体がコミットして、経済を成長させようとしてる姿勢には強く共感とともに感動しました。福岡市すごすぎ!って。

経済が成長している、街に勢いがあるというのは、大事なことだと思っています。街が成長していて、住みやすくて、採用も魅力的。更には自治体のサポートまである。福岡に拠点を作るのがベストなんです。

── 福岡という街に対する期待、熱い想いを聞けたところで、そろそろ本題に入りたいと思っていますが。

あれ、まだ本題に入っていないんでしたっけ!?

── ピクシブが、福岡で何をやろうとしているのか、というところを聞きたいと思ってまして。

そこ、みんな知りたがっていますよね。

→ 次回: ピクシブは福岡で、何をしようとしているのか?

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東根哲章
東京大学を卒業後、2002年株式会社電通に入社。主にテレビやデジタル広告の企画やメディアプランニングに従事。 ピクシブの企業理念やpixivのサービスに感銘を受けて、14年半務めた電通を辞めることを決断。2016年11月よりピクシブ株式会社執行役員に就任。pixivコミックやピクシブ文芸、福岡オフィスなどを担当。クリエイターをサポートする事業を自社でやれることに日々幸せを感じている。