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ピクシブは福岡で、何をしようとしているのか?

ピクシブが福岡で何をしようとしているのか?ピクシブ福岡オフィスの中心人物である、執行役員の東根 哲章にその狙いを聞いてみました。

(※ 先日公開された記事「ピクシブはなぜ、福岡に拠点を作ったのか?」も、あわせてご覧ください。)

福岡にオフィスを作った、その目的とは?

── これから福岡で、ピクシブはどんなことをやっていくんですか?

福岡のチームだけで、新しいプロダクトを作っていこうと思ってます。

── クリエイターの活動を支援する何かが、福岡発で生まれるのですね!

そうです。ただ、最初から新しいプロダクトを作ることは難しいと思っています。

ピクシブがこの10年の間に試行錯誤して築き上げてきた、プロダクトを作るためのノウハウであったり、カルチャーであったり、働き方であったり、そういったもの福岡の仲間にもまずは理解してもらったほうがいいと思ってます。

福岡で、ピクシブのミッションに共感してくれる仲間を集め、東京にいる仲間と一緒に働くことから始めていきます。東京から数名のエンジニアを福岡に招集し、最初はpixivなど既存のサービスのグロースをやっていく。

今までに作り上げてきたサービスを、既存のメンバーと一緒になって運営して吸収していくことがスタートです。

── 福岡チームは東京のサポート的な業務を引き受けるだけ、みたいにはならないですよね?

そうはしたくないですね。東京のサポート的な業務をやるなら、東京オフィスの空きスペースでやったほうが早いし、楽ですよね。千駄ヶ谷のオフィスは3月に増床してスペースにかなり余裕がありますし。

福岡オフィスを独立した開発拠点として成長させたいです。

ピクシブはこれまで、自分たちのミッションを達成しようとさまざまなプロダクトを生み出してきました。

福岡でもいいチームを作って、ピクシブの良さを引き継ぎながら、でも独自の進化を遂げていけば、いいプロダクトを生み出せると考えているんです。

── ピクシブの積み上げてきたものを吸収した上での、「創業」という感じですね!

まさしくその通りです。

僕は最近ピクシブに入社したのですが、僕がピクシブで良いと感じているところは、「マネタイズ」よりも「人のため、クリエイターのためのサービスを作る」「人に必要とされるサービスを作る」というのが先に立っているところだと思っているんです。

会社のミッションである、クリエイターのためにプロダクトを作っていこうという考えが会社全体に浸透しているんです。会社の思想がしっかりしていると、いい人材がどんどん集まってくる。何より僕もこの思想に惹かれてやってきた一人です。僕がいい人材かどうかはわかりませんがね(笑)。

そんな思想を持って、福岡のピクシブを「創業」するということになります。

人材の流動性が高まる中、ピクシブ出身者が福岡で活躍していけるように

── 私たちの活動って、福岡市からも応援されていますよね。オフィス立ち上げの際には、福岡市との合同記者会見まで開かれましたし。

そうですね。福岡市のフットワークの軽さには、本当に驚きました。福岡にオフィスを作るというプレスリリースを出した直後ににすぐ声をかけていただいたんです。その後、メルカリさん、アカツキさん、さくらインターネットさんと4社合同で記者会見を開いた際には、なんと高島市長に同席していただきました。民間企業がオフィスを開設する発表の場に、普通は市長さんなんていらっしゃらないですよね。福岡市の意気込みを感じ、僕らも気合がより入った次第です。

この4社って、ピクシブの仲間を増やすという意味では、一見競合のようにも見えます。ただ、僕はそう思っていなくて、福岡に新たに来たITベンチャーみんなで盛り上げたほうが、福岡のIT業界そのものがもっと盛り上がって、結果としていい人材が増えると考えています。

日本は、いろんなものが東京に一極集中しすぎている。福岡はその状況を変えるだけのパワーを持っていると思うんです。僕らもその一員になって「IT業界が福岡で成功してるよね」みたいな機運をつくれたらいいなって思ってます。

人材がもっと流動的になれば、他の地域からも福岡に人が集まってくるでしょう。

── 「流動的」と聞いて思ったのですが。私はもっと柔軟に職場を変えられるようになったほうが、働き方として良いと思っているんですよ。

すごくそう思います。

流動性があった方が、働いている人にとってより自分にフィットした会社に出会う可能性があります。また雇っている会社にとってもよりフィットする仲間を見つけられる可能性がありますよね。

僕が社会人になった2000年代前半の頃はまだまだ終身雇用の意識が強く、中途採用の市場もあまり流動的ではなかった。多くの学生が日本は転職がしづらい国だと思い、何十年も働ける大企業に入ろうとしました。私自身もその一人でした。

ところが、時代の変革スピードが早くなり、何十年も働けるような企業は激減してしまいました。同時に多くの業界で転職市場の流動性が高まってきました。一生働ける会社を選ぶより、ずっと働ける仕事のスキルを身に付ける方が圧倒的に大事になってきました。

3年ぐらい働いて成長した後に更に成長するために別の企業に転職する、というのは今は現実によくあることですよね。また、今いる環境が自分のやりたいことと合わなくても、また別のチャンスがあると思える。これは働く人にとっていいですよね。精神的なプレッシャーが少なくなるので。

そういった今の労働市場の中で、ピクシブを社員が長く働きたいと思える場所にしたいと強く思ってます。長く一緒にいて共に成長したい。そのためには、皆が成長し続けられるような環境と機会を用意し、「ピクシブならずっといても成長し続けられるよね」という風にしていきたいのです。

成長中の環境の中にいた方が人は成長しやすいものだと思っているので、成長を目指してチャレンジを続けることは意識しています。

2,3年なんて言わず、5年10年20年と続けて働いてもらえるよう、より魅力的な働く環境を作っていく。ただ、業界全体として、福岡の街全体として、人が循環しているということ自体は素晴らしいという話です。

企業と人の求めるものが違ってきて2,3年でピクシブを辞める人も当然いると思います。その人が新たな環境に行って活躍すれば嬉しいことです。「ピクシブ出身の人はみんな活躍してるなー」って第三者から言われるように頑張りたいですね。

── まったく同感です。ピクシブで永遠に働くなんてこと考えず、キャリアの一部だと考えてくれていいんですよ。どこでも戦える高いスキルを得て、福岡のIT業界が盛り上がってくれたらいいんじゃないかなって私も思っています。

福岡でチャレンジしたい人を募集中

ピクシブはいろんなことにチャレンジして、何度も小さな失敗したとしても、最後に大きな成功を勝ち取ればいいという考えを持ってプロダクトを作っています。失敗を恐れずにどんどん前に進もう、新しいことにトライしていこう、っていうのがピクシブの社風なんです。

東京と同じように福岡でもどんどんチャレンジしていきたいと思ってます。 最終的に東京に行きたいっていうモチベーションで、福岡のピクシブを選んでくれてもいいと思っています。福岡でがんがん面白いもの作っていこうぜっていう気概がある仲間を、募集しています!

── クリエイターの生き方を変える最高のプロダクトを作る。そんな体験が福岡でも実現できれば、最高なことではないでしょうか。ありがとうございました!

(インタビュアー: furoshiki)
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東根哲章
東京大学を卒業後、2002年株式会社電通に入社。主にテレビやデジタル広告の企画やメディアプランニングに従事。 ピクシブの企業理念やpixivのサービスに感銘を受けて、14年半務めた電通を辞めることを決断。2016年11月よりピクシブ株式会社執行役員に就任。pixivコミックやピクシブ文芸、福岡オフィスなどを担当。クリエイターをサポートする事業を自社でやれることに日々幸せを感じている。