2024年7月、ピクシブは、株式会社ビズリーチが主催する「HR SUCCESS アワード 2024」にて、採用・人事を変革し先進的な取り組みを行った企業として受賞しました。
受賞につながったのは、2023年に導入した新しい採用管理システムに関わる取り組みです。採用課題の解決や改善をどのように進め、仕組みを整備していったのか、中途採用チームの4名にお話しを伺います。
メンバー紹介
minami:2020年入社。中途採用を主に担当。
chihiro:2021年入社。中途採用とオンボーディング、研修業務を担当。
coco:2023年入社。中途採用とオンボーディングを担当。
camiii:2023年入社。中途採用と研修をメインに担当。
新システム導入の背景について教えてください
chihiro:ピクシブは社員の約7割が採用の選考プロセスに参加しているのが特徴です。そのため、各社員に合わせた閲覧権限で情報を共有する必要があるのですが、以前利用していた採用管理システムは、閲覧権限を細かく設定できませんでした。
結果、選考に関する社内のやり取りが採用システム上ではなく、SlackやSlack内のDMなど様々な場所で行われており、選考プロセスに関する情報が集約できていない状態でした。
情報を一元管理できていないという課題を解決するために、2023年5月頃、新システム導入の検討を始めました。どのようなシステムがあるかを調べ、集まった候補を比較検討しました。7月に株式会社ビズリーチが提供するHRMOS(ハーモス)の導入を決定し、そこから1ヵ月で運用方法を検討し、2023年8月から導入を開始しました。
coco:HRMOSを導入したことで、閲覧権限の問題が解決し、選考に関わるやり取りが全て1つのシステム上に集約されました。更に、全てのデータを一元管理したことでデータ分析が容易になったため、PDCAを回して業務効率の改善に取り組んでいくことができるようになりました。
システム導入にあたり苦労した点はありましたか?
chihiro:HRMOS導入により、以前のシステムでは解決できなかった多くのことができるようになりました。使える機能が多い分、それぞれの細かな設定が大変でしたが、そのなかでも権限まわりの設定に苦労しましたね。
coco:HRMOSの担当者によると、選考担当者がここまで採用に携わる会社は珍しく、ピクシブほど細かい設定を必要とする事例がなかったそうです。そのため、ピクシブに合わせて一から設定を構築していく必要がありました。
一方で、複雑にしすぎてしまうと、選考プロセスに参加する社員が評価を記入する際などに混乱や不明瞭な点が生じる可能性があります。。選考担当者が楽に入力でき、かつデータをきちんと抽出できる状態を目指して作業を進めました。
chihiro:テスト画面を見ながら何度も試しましたね。相当な組み合わせのパターンで試行錯誤する日々でした。そのほか、データの落とし込みにも苦労しました。前年との比較もできるように、過去のデータをHRMOSに移行する作業を行ったのですが、当然ながら膨大なデータ量で…。
camiii:移行したデータは全部で約23,000件でした。そのうち、選考のステップなど詳細まで残しておきたいデータが1,500件ほどありました。これらに関してはCSVで移行するだけでは完結できず、手入力でデータ移行を行いました。
1,500件の手入力は大変でしたが、今後データ分析にウェートを置きたいという想いが強かったので、ここは手間をかけてもしっかりやり遂げたい部分でした。
特に注力したことはありますか?
minami:新システムを社内に浸透させるための案内です。以前はSlack上で行っていたやり取りを、全てHRMOS上の社内メモで行う形に変更しました。HRMOS導入直後は、システムからの通知に気付いてもらえず、やり取りが滞ることもありました。もちろん、新システムがすぐ浸透するのは難しいことだと思っていたので、漏れがあった場合は一人ひとりへの案内を徹底して行っていきました。
導入から1年以上を経た今は、社員も大分慣れて、採用に関係するやり取りはほぼ全てHRMOS上でできています。
chihiro:HRMOS導入にあたり、社員を役職別の3グループに分けて説明会も実施しました。導入の目的を伝えたうえで機能や活用方法の説明を行い、実際の運用をお願いする内容です。丁寧に説明を行うことで、社員全員がHRMOSを理解しスムーズに使える状態を作ることができました。
coco:他にこだわった点としては、面接の評価項目アレンジもありますね。入力がしやすくかつデータも取りやすくする、ということをかなり意識して設定しました。
chihiro:採用に関わるメンバーにも意見をもらいました。例えば、評価の記入はプルダウン、選択式、記述式どれがいいのか、など細かい設定について相談し、整えていきました。
coco:新卒採用もHRMOSを使っているので、新卒採用チームやバックオフィスのメンバーとも密に連携を取りましたね。新卒採用はインターンシップがあるなど、中途採用とは選考フローが大きく異なります。HRMOS上の評価項目アレンジを全く同一にすることは難しいですが、少しでも混乱しない形を試行錯誤し整えていきました。
新システム導入から1年が経ちますが、いかがですか?
chihiro:最終的に2つの候補でとても悩んだのですが、今となってはHRMOSにして本当に良かったと実感しています。アップデートも多く、担当の方もとても丁寧で、些細な相談にも親身にのっていただいています。
minami:社員の採用における当事者意識が強く、システムを使うなかで積極的に意見を出してくれるのですが、それをHRMOS担当者の方にすぐ相談できる体制ができており本当にありがたいです。
他のサービスと連携しやすい点にも満足しています。大手求人媒体との連携がしやすく、自動で情報を取り込めるため、非常に助かっています。
camiii:Googleカレンダーとも連携してるので、面接を設定するときにHRMOS上だけで完結できるのも大きなメリットですね。
coco:選考担当者の社員から「使いやすい」と言ってもらえることが多いのも嬉しいです!また、振り返り時のデータエクスポートも以前と比べて格段に早くて感動しました。導入を進める中で大変なことも多かったですが、結果的に多方面で良い影響が出ていると思います。
「HR SUCCESS アワード 2024」受賞
これらの取り組みを経て「HR SUCCESS アワード 2024」を受賞。7月10日に東京国際フォーラムで開催されたイベント「HR SUCCESS SUMMIT 2024」内で授賞式が行われました。
ピクシブは採用オペレーション業務において「システムの導入により選考プロセスをデータ化しPDCAを回すことで中長期的に改善した点」「採用課題解決のため社内全員を巻き込み仕組みを整備した点」が評価され表彰を受けました。
表彰式に参加して、いかがでしたか?
chihiro:当日は、チームメンバー8名で出席しました。誰もが知る有名な会社が表彰企業として名を連ねる中に「ピクシブ」という文字が並んでいる様子を見て感慨深かったです。
coco:当日は表彰式に加えて、受賞企業が取り組み内容を語る公開座談会に登壇させていただきました。他にも様々なセッションが開催されており、メンバーみんなで回って様々な人事課題について学んだり、他社の人事の方と交流しました。
他社の方と話していて一番聞かれたのが「ピクシブはなぜこんなに多くの社員が採用に積極的に関わってくれているのか?」という質問でしたね。そこを課題に感じている会社が非常に多い印象でした。
chihiro:以前からピクシブには、社員全員で採用に関わるという文化がありました。ピクシブは来年で創立20周年を迎えますが、その歴史の中で、そうした風土が作られ根付いてきたことが採用担当として本当にありがたいです。改めて社員の皆さんに感謝を伝えたいです。
受賞したことについて、社内からの反応はありましたか?
chihiro:採用に関わってくれている選考担当者や採用チームの方々から、すごい!と声をかけてもらえて嬉しかったです。代表取締役からも「表彰式頑張ってね」と激励の言葉を直々にもらいました。
coco:社内にとどまらず、人事領域で繋がりがある他社の方からも連絡をいただきました。管理部門で外部から表彰される機会は少ないですし、感激しました。
今取り組んでいることや今後取り組みたいことについて教えてください
camiii:HRMOSで得たデータを活用していくため、現在、サーベイのチームを立ち上げて分析を進めています。採用方針にあわせて「このポジションはどこが課題か」「どんな方に来ていただきたいか」「どういう媒体に仕掛けていくと効果的か」などを分析していく予定です。
また、分析を深めることで、ポジションによる評価指針のばらつきを防ぐ仕組みづくりや、ポジションごとの採用施策などにも取り組んでいきたいと考えています。HRMOSを活かして色々なことに挑戦していきたいです。
最後に
chihiro:先ほどお話したように、ピクシブは採用に積極的な社員が多く、協力してもらえることが本当にありがたいと感じています。採用に関わらず、当事者意識が強い人が多く、会社全体で何かに取り組もうという空気があります。
今回の新システム導入の成功や受賞も、この土壌があってこそだと思うので、この記事を読んだ方にそんなピクシブの文化に魅力を感じてもらえたら嬉しいなと思います!