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ピクシブとRuby 〜 Ruby 30周年に寄せて

こんにちは、CTOの @harukasan です。2023/02/24をもってプログラミング言語Rubyが30周年を迎えたとのこと、大変おめでとうございます。 Rubyに支えられている企業の一社として感謝を示したいと思い、この記事を書くことにしました。

ピクシブとRuby

ピクシブでは多くのサービスでRuby on Railsを利用しています。2012年にリリースされた国際版pixiv β(現在は提供終了)を皮切りに、pixivコミック、BOOTH、pixiv FACTORY、pixiv Sketch、Palcy、VRoid Hub、pixiv Adsと数々のプロダクトでRuby on Railsが採用されてきました。

2012年6月にリリースされたpixivコミックはRails 3.2でリリースされ10年以上にわたり同じコードベースで開発が続けられています。余談ですが、pixivコミックは私がピクシブに入社し最初にインフラメンバーとして携わったプロダクトであり、入社する前にRuby on Railsを書けることをアピールした記憶もあるので、自分がピクシブに入社したのはRubyのおかげであると言っても過言ではないかも知れません。

Ruby on Railsがここまで多く採用されてきた理由にはRails Wayという思想と、そのコミュニティに多く支えられてきたところがあるかと思います。Ruby on Railsを採用することで、社内外のRails運用の知見を多く共有することができますし、RubyKaigiなどでピクシブのことを知りジョインしてくれたメンバーも居ます。

近年ではフロントエンドにTypeScript、マイクロサービスにはGoというように各領域ごとにさまざまなプログラミング言語を採用するようになりましたが、pixiv Adsの管理画面のようにモノリシックの強みがある部分については新規にRuby on Railsが採用されることもあります。

Rails以外にもRubyを母語として用いるエンジニアは多くいるので、社内のちょっとしたスクリプトがRubyで書かれていることもあります。私もインフラチーム時代に多くのスクリプトをRubyで書いてきましたが、そのためだけにMRIの運用が要求されてしまうので、最近は他の言語にリプレイスが進んでいる気がします。個人的にはRubyを使っているところを増やしたい気持ちもありますが、それだけではRubyを採用する理由にならないので、適切な用途でRubyを使える機会を日々うかがっています。

ピクシブとコミュニティの関わり

このように多くをRubyに支えられているピクシブですが、微力ながらコミュニティを支援する活動も行っています。 昨年はRubyに関する以下の活動を行いました。

RubyKaigiへのスポンサーシップ Ruby Associationへの協賛 中高生国際Rubyプログラミングコンテスト in Mitakaへの協賛

ピクシブは特定の言語に依存するような技術選択を行っておらず、それぞれのプロダクトがプロダクトの目的に応じて技術選択をとる体制をとっています。これはコミュニティへの支援についても同じことが言えます。それぞれの協賛活動は現場でRubyを用いているメンバーの提案によって行われてきました。

このように、ピクシブではエンジニアひとりひとりがコミュニティに貢献し、それを応援することを大事にしたいと考えています。今年もRubyKaigiをはじめとして、メンバーが自ら提案した協賛活動を引き続き行っていきます。私自身もRubyを応援していきたいと思っています。

ピクシブのプロダクトはRubyの成長とともにスケールしてきました。これからもメンバーとともに技術コミュニティの成長が続くように貢献し続けられることを願っています。

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harukasan
1988年生まれ。久留米高専、九州工業大学を経て、筑波大学大学院システム情報工学研究科博士前期課程修了。2012年ピクシブ株式会社に入社。インフラチームとして画像配信、ログ解析基盤などを担当。現在はCTOを務める。