こんにちは!
pixivFANBOXのコミュニティーマネージャー(以下CM)をしております、poppoと申します。入社して約一年ほど経って、業務にようやく慣れてきた新米CMです。
現在は、主にクリエイターさん・支援者さんから届いたお問い合わせの対応や、FAQの改修、ユーザーの疑問を解消したり、安全に心地よくサービスをご利用いただくための施策などを行なっています。
今回は、ピクシブに入社して出会った「カスタマーサクセス」の考え方と、FANBOXにおいての「カスタマーサクセス」について、CMの視点で考えたことをまとめてみました!
私自身、入社前にpixiv insideをたくさん読んで会社の雰囲気を知ることができたので、この記事もどなたかのお役に立つと嬉しいなと思います。
pixivFANBOXってどんなサービス?
pixivFANBOXは、好きなクリエイターの創作活動を支援することができる、サブスクリプション型の支援サービスです。支援者になると、クリエイターの限定イラストやマンガ・日記などの投稿を見ることができます。(内容はクリエイターによって異なります)
自分自身も、入社前からFANBOXを利用していて、推しサービスのひとつでした。
以前は即売会イベントなどで、好きなクリエイターさんにお手紙やお菓子の差し入れをして「いつも素敵な作品をありがとうございます!!!」という気持ちを伝えていました。
今はFANBOXという場を通して、直接クリエイターさんに応援の気持ちを届けることができます。直接会うことがなかなか難しい昨今、このような形でクリエイターとファンを繋ぐことができるのは、時代にも合っているなと感じます。
そもそも「カスタマーサクセス」って?
見知らぬ横文字…と、以前の私ならブラウザをそっと閉じたかもしれない、この「カスタマーサクセス」。
近年欧米で注目されている考え方で、一言で表すと言葉の意味通り「顧客(ユーザー)がサービスにおいて、成功体験を得る」こと。
また、成功体験に導くための施策や考え方も含めて「カスタマーサクセス」と呼ぶこともあります。カスタマーサクセスを強化することで、ユーザーがサービスに対する愛着を高め、永続的にサービスを利用してくれるという考え方です。
「ユーザー対応」と聞くと「カスタマーサポート」を想像する方が多いと思います。両者の違いは、「カスタマーサポート」が「ユーザー側の問い合わせを受けてから問題の解決をする」といった受動的な役割であることに対して、「カスタマーサクセス」は「そもそも問題が起こらないように先回りして、最適解を提案する」といった主体的な役割を持っています。
カスタマーサクセス勉強会
現在、各サービスのCMが集い、定期的に「カスタマーサクセス勉強会」を開催しています。順番にプレゼンターを担当し、各自が興味を持っている「カスタマーサクセス」に関連する知識や情報を共有しあい、知見を深める時間です。
その会をきっかけに、私自身も「カスタマーサクセス」について考える機会が増えました。
今回は、共にFANBOXのCM職を担っているheleneさん・sandyさんにも、お二人の考える「FANBOXにおいてのカスタマーサクセス」について座談会形式で伺ってみました。
heleneさん
現在FANBOX CMのリーダーポジションとして、チームを牽引する存在。オカルトとPIXAR作品をこよなく愛している。いつも愉快な発言で場を楽しませてくれます。
sandyさん
英語が堪能な、グローバルFANBOX CM。歌うことと食べることが得意。癒しオーラで皆を和ませてくれます。
カスタマーサクセスのためにできること
poppo:本日はFANBOXのカスタマーサクセスについて、お二人の意見をお聞かせいただきたいです。お二人にとって、FANBOXにおいてのカスタマーサクセスとはどんなことだと思いますか?
helene:私はクリエイターとファン、相互の想いを届けることだと思っています。クリエイターを支えるのは私たち運営だけでなく、ファンの方々のお力が大きいです。クリエイターを支えるファンの方々が使いやすいサービスを提供することで、初めて、ファンの方々の思いをクリエイターにスムーズに届けることができます。それが、FANBOXにおいてのカスタマーサクセスなのかなと思います。
poppo:たしかに、クリエイターとファン、それぞれのカスタマーサクセスの形があるのがFANBOXの特徴ですよね。そのためにCMができることはどんなことだと思いますか?
helene:CMはユーザーの声を直接聞くことができる立場です。そのため、エンジニアやデザイナーなどのチームメンバーに、ユーザーが「何に困っていて、何を求めているのか」、「その機能が実装されると、どのくらい喜んでいただけるのか」という課題感や効果をきちんと伝えて、認識してもらわないといけないなと思います。
最近も、ユーザーからご意見をいただいていた機能の改修が行われました。「使いづらいな」と思われていたことが、少しだけ解消できたかと思います。そういった小さくても着実なものを積み重ねることが、ユーザーにとっても、私たちCMにとっても、成功体験に繋がると良いなと思います。
新規機能の実装や、UIの大幅な見直しなど、大きな改修だけではなく、ユーザーが感じる「違和感」を、確実にチームに共有していけるようにしていきたいですね!
poppo:ありがとうございます!痒いところにも手が届いてるサービスだと感じてもらえると、嬉しいですね!sandyさんはいかがですか?
sandy:私はアクティブに、積極的に、ユーザーの問題を解決する仕組みを整えることが、カスタマーサクセスに必要だなと考えています。
「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」は混在して使われていることが多いと思うのですが、「カスタマーサポート」はユーザーが抱えている問題への対応や解決にフォーカスするのに対して、カスタマーサクセスはユーザーの成功のために、サービス側から積極的に行動を起こすことにフォーカスします。
「事後対応」ではなく、「事前」に防ぐことが大切なので、私たちCMに必要なのは、ユーザー自身も気がついていない、本質的なニーズは一体なんなのかを、ユーザーよりも先に気が付くことかなと思います。
helene:最近も改修や新しい機能が実装される前に、ユーザーがどんな疑問を持ちそうかチームメンバーとミーティングを開きましたよね。改修に向けて事前に「よくある質問」のページを用意したり、返信案を考えました。準備ができていたからか、思ったよりも問い合わせ数が少なかったように感じました。少しでも、ユーザーの成功体験のために先回りできてたのかな。
poppo:事前準備がしっかりできていると、ユーザーはもちろん、私たちCMも機能や状況について理解した状態でスタンバイでき、素早く正確な対応ができるなと感じますね。
今後、担っていきたいこと
poppo:今後カスタマーサクセスのために、FANBOXのCMとしては、どんなことを担って行きたいですか?
helene:スムーズに情報を伝えるためにも、CMとしてチームとのコミュニケーションや関係性をしっかり作っていかなくては!と思いますね。エンジニアもデザイナーも営業もそれぞれの視点から「サービスを良くするための考え」を持っています。一つの施策に対しても、CMの考えがベストという訳ではないので、様々な視点を持ち合って、ユーザーにとっての一番良い答えを導き出すようにしなくてはいけないなと思います。
poppo:ありがとうございます。FANBOXは海外在住のユーザーが4割ほどいらっしゃいますよね。海外での暮らしが長い、sandyさんならではのご意見もお伺いしたいです。
sandy:海外のユーザーはFANBOXのようなクリエイター支援サービスの選択肢がものすごく多いんですよね。Patreon、Podia、Kickstarter、Indiegogo、Memberfulなどなど…。なので、自分の創作活動スタイルに一番合うプラットフォーム、クリエイターとしてサクセスできるプラットフォームは一体どれを選べばいいのかわからないっていうユーザーもいらっしゃるんじゃないかと思います。いずれはFANBOXのCMとして、「他のサービスとどう違うのか」「FANBOXを選ぶメリットはなんなのか」ということを、海外にいるユーザーに発信していきたいです。
そのためにも、まずは縁の下の力持ちというか、日々の業務をしっかりできるようになりたいなと思っています。大きなタスクが来たときに、他のお二人がそちらに集中できるように。また、英語のお問い合わせだったらsandyに任せる!と頼ってもらえるようにもなりたいです。
helene:私はCMの皆さんの得意な分野を伸ばしてほしい…海外のユーザーに向けてカスタマーサクセスの体制をsandyさん・poppoさんに整えていって欲しいと思ってます。
なので、私自身はCMチームが働きやすい環境を整えることに力を入れたいです。今まで運用でカバーしていたことを、技術やシステムを取り入れて解決していきたい。そうやって効率化することで、新たな時間が生まれると思うので、その時間で人間にしかできない「ぬくもりのある対応」をしていきたいです。メリハリをつけて120%ヒューマンセントリック※な働き方をすることを目指しています!
また、FANBOXチームメンバーにユーザーの声を共有したり、機能の実装を提案していくために、今後具体的な数値を取っていきたいですね。どの国のユーザーが、どの時期に、どれくらい困っているかなど、数値で根拠を示すことで、説得力のある提案をしていきたいと思っています。
poppo:ありがとうございました!
※ヒューマンセントリック…人間が人間らしく生きるために、技術やシステムに使われるのではなく、効率的に利用していくこと。自分達を中心に置く考え方。
座談会を経て
座談会を経て、チームメンバーのカスタマーサクセスへの考えをしっかり聞くことができて、目指している場所が同じ方向だということを認識でき考えがよりアップデートされました。
現在の私が考えるFANBOXにおける「カスタマーサクセス」は、「クリエイターとファンがプラットフォームの存在を意識せず、息をするようにクリエイター活動や支援をすることができる世界」。そんな環境作りの一助を担えればと思います。
ユーザーを悩ませないためのUIや、改修の提案はもちろん、問題に直面しても、すぐに解決に繋がるFAQ作りに力を入れたいです。
海外在住のユーザーも多いので、多言語サポートの強化や、言語に関係なく視覚的に理解できるよう図解を加えるなど、ビジュアル面にも注力したいと思っています。
その上で、問い合わせをしなくては解決しない問題に対しては、対人間にしかできない細やかな気の配られた対応で、問題解決していきたいです。
自分自身が誰よりもFANBOXのヘビーユーザーとなり、違和感やユーザーの気持ちを一番理解できるCMでありたいと思っています。
おわりに
FANBOXのCMチームは、heleneさん、sandyさん以外にも現在育休中のiyocanさん、そして最近チームにジョインしてくれた福岡オフィスのカスタマーサポート(CS)※の皆さんなど個性的で頼り甲斐のあるメンバーで構成されています。
※福岡のメンバーについてはこちらもご参照ください inside.pixiv.blog
iyocanさんはFANBOX CMの基盤を作り、整えてくれました。そのおかげで現在のCMはホスピタリティ高く、かつ効率的にユーザーの課題解決に向き合うことができています。また、福岡CSのメンバーが、日々の業務の一端を担ってくれることで、今後CMはよりカスタマーサクセスの強化に力を入れていけるようになります!
この春、FANBOXはサービス開始から4年目に入りました。ユーザーの数も増えているので、日々新しいご意見・ご要望も増えています。より使いやすく安全なサービスにしていけるよう、今後も頑張っていきます!