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新組織発足で行った「集中討議」を支える仕込みの技術

おはようございます。bashです。2/22 水曜日の朝です。

ピクシブでは様々な事業を複数の事業部に整理し、協力・分担して運営しています。

www.pixiv.co.jp

事業運営を支えて企業理念達成を加速するべく、新しい組織である経営企画推進部(以下 🍰 *1 )が2023/01/01付けで発足しました。

この記事では、その🍰の部署発足に際して行った「集中討議」の段取りについてご紹介します。

経営企画「推進」部?

「経営企画」というと、経営戦略策定して各事業・各機能に展開していく頭脳集団のようなイメージがあるかと思いますが、ピクシブではCxO陣と事業部長陣が取り組みを企画し、それをもとに経営目標が定められています。その方向性は引き続き踏襲しつつ、この部署では事業の取り組みを更に後押しし、サポートしていくという存在です。

集中討議の狙い

このようによくある経営企画の部署とはいささか違った趣があり、また事業全体を支えてくれよという大きなご期待もいただいており、ハイプレッシャーな状況がありました。

また部署メンバーとしては、事業・バックオフィス双方の最前線から推進力・突破力に長けた多様なバックグラウンドを持つメンバーが召喚され、たいへんアクの強いパーティーとなっているように見受けられました。

このような背景から、対峙すべき課題とは何かを明確に共通認識化することは急務であると評価し、集中討議としてまとまった時間で考えをぶつけ合うことを開催することにしました。

「段取り八分」

わたし自身も🍰の一員なのですが、当事者性と客観性ミックスの面白さを狙って、半ば議論の外側に重心をおいたファシリテートを担いました。

ファシリテーターとしては、pixiv insideでもふりかえりについて事例を述べてきましたが、今回のようなフォワード方向の取り組みも同様のナレッジで事前設計、つまり段取りしていけばいいかたちになると確信しています。

inside.pixiv.blog

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なお、ファシリテーション力としてはわたしよりも上手なメンバーは幾人もいます。個性とアクの強いメンバーたち同士で協働をうまくするためにはファシリテーションのノウハウは何かと役立つので、機会をつくってみなさんにご紹介できればと思います。

参加者

参加者としては🍰関連メンバーだけでなく、代表もフル参加として設定しました。これは業務で関わる場所が多岐に渡るため、代表としてのフィロソフィー把握は適切かつ効果的なアプローチに欠かせないと考えたためです。

複数人を長時間ホールドすることになるので全員の日程を合わせることには苦慮し、1月発足なのに2月開催にずれこみましたが、トレードオフするに相応しい価値がでたと考えています。

場所選び

オフィスのオープン会議スペースに集まって開催することとしました。

設営

オンライン開催にもメリットは多いのですが、今回は扱う内容がたっぷりになると想定して、広帯域な情報量を高速レスポンスでやりとりできることを重視しました。

またこのような取り組みなので、オフサイト開催で合宿を組むことも考えました。ただ昨今のリモート勤務状況からオフィスで集まる事自体が大きな非日常にできること、ホワイトボード、ネットワーク、文房具など、グループワークの設備が強力であること、コストもかからないことから、オフィスを選びました。

そして会議室を使わなかったのは、横断的に関わってくる組織ができることは社内のみんなにとって期待とあわせて不安感もあろうと思い、行動でオープンスタンスを示そうと考えたためです。

インプット収集

事業運営を支えるというミッションから、CxO陣・事業部長・マネージャー陣にヒヤリングを行い、集中討議のインプットとしました。

膨大な情報量が集まり読むだけで時間すべてを使ってしまうような規模になったため、読み解き容易のため、事前に🍰である程度内容を整理・分類する仕込みも行いました。

ルール整備

参加者は様々な立ち位置の経験者の構成で、様々な観点からのよい論戦が期待できる陣容です。

立ち位置

ただ悲観的な想像をすると影響力の大きい個人の独演会になるリスクがあると考えました。そこまでいかなくとも、一人ひとりの裁量が大きく自らの考えを社内発信することが自由にできるピクシブとはいえ、代表を交えた今後の部署活動を左右するスペシャルな会議という非日常空間で普段どおりにワイワイできるかというと、真顔にならざるを得ない難しい局面でしょう。

そこで、議論のルールを常時掲げておくことで適切に発言をぶつけ合う場として規程してみました。

一部を抜粋して紹介するとこういう内容です。

  • あえて悲観的に、bad newsや、耳の痛い発言をすること
  • 反論したくなっても「なるほどね」とまずキャッチすること
  • 受け入れがたいことは自らの無意識の抵抗感に気付く機会とすること

さらにダメ押しとして、大前提として初手での状況認識レベルとして「同床異夢である」とまで明言し、すれ違って当然をスタートラインとしました。

当日

朝イチからの開催だったので、オフィスに早朝入りしまして、参加者がディスプレイを囲むようにして問題 vs わたしたちの構図になるように場を整えました。

問題(ディスプレイ表示) vs わたしたち

壁にはグランドルールや進行表を貼り、各人の後ろにはホワイトボードをおいて議論が空中戦になりそうなときには書いて話すように仕向けて、ひたすら人と人とがぶつからないようにしてみました。

進行としては基本に忠実に、ルール説明、アイスブレイク、チェックインからの議論と深度を進めていきました。

内心ドキドキしていたのですが、幸いにして心配は杞憂で、いい意味で立場を関係なく論をぶつけ合うことができました。

あまりによい議論になったので当初の進行を途中で捨ててひたすら話してもらうことに振り切りつつ、集中討議としての結論、宿題設定、チェックアウトまでタイムボックス内で終えることができました。

この先について

宿題としてとても大きなものとして、この集中討議の内容をもとにした🍰タスクは順次進行してるものの、社内メンバーたちに集中討議内容をまだお伝えできていません。おまたせしてます。もうちょっとまってくださいね。

参考資料

なおBOOTHでもファシリテーションに関する商品が登録されています。みなさんの知見を本としてまとめて公開することもオススメです。 booth.pm

補足:筆者の立ち位置

この数年は社内ITをお預かりしてきました。

ありがたいことにインタビュー社外登壇の機会もいただくなどの効果もあって頼もしい仲間が集い、次のステージに進むに相応しいチームに育っていきました。

そこで今回の舞台の経営企画推進部の発足と同じタイミング次世代リーダーに社内IT責任者業をバトンタッチし、わたしは経営企画補佐 兼 経営企画推進部エンジニアというお役にて、ITもそうでないところもまたいで様々な分野を取り巻く諸々へと越境していくこと新ミッションを担うこととなりました。

補佐とは?

同じくこの1月から、🍰や、社内IT、カルチャーなどの諸分野を管轄する新しい事業部長が立ち上がりました。この者を事業や機能をまたいだ観点で支えるべく、社内ITのみならずVPoEや関連会社CTOなど様々な場数を踏んできたベテランとしてわたしにお座敷がかかりました。

役割としては明確だったものの、職名としてはなかなかフィットする名付けに苦慮しまして、最終的には漢字では経営企画補佐を、英名では、その事業部長をCEOと見立てて、大きな責任を持って事業・機能をまたいで経営企画観点で支える役としてChief of Staff, Corporate Development*2という肩書きを預かることになりました。*3

またもう一つの経営企画推進部エンジニアとしては、自意識としてもエンジニアリングに軸足をおいたキャリアから培ってきたテクノロジー x デザイン x アーキテクチャの力で、経営企画推進に力を尽くしていきます。

また、社内外と情報をつなぐというのも一つの役割として力を入れてこうと思いますので、オンライン、オフライン問わず、お声がけいただけるとうれしいです。

*1:経企 → ケーキ → 🍰

*2:経営企画の定訳のひとつです

*3:具体的な情報としては https://dhbr.diamond.jp/articles/-/7175https://voice.aktsk.jp/5302/ を参照しました

bash
経営企画補佐 兼 エンジニアリング室長。 2013年に広告配信エンジニアとして入社し、その後開発マネージャ、関連会社CTO、VPoE、コーポレートIT立ち上げと、支える活動をひたすら切り拓く挑戦を繰り返してきた。 現在は、solver & right handの経営企画分野スタッフ業とEngineering Office運営業を持つ。 タイプとしては知略が使える本能型。キャッチフレーズは「真面目なSE、真面目にSE」。 プライベートでは #RubyMuscleMixin ハッシュタグで健康のためのウェイトトレーニングに日々取り組んでいる。 個人の公式FANBOX https://bash0c7official.fanbox.cc/